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離婚後に元夫が住宅ローン滞納。競売で家を失った名古屋市瑞穂区の事例

離婚から数年が経ち、子どもたちとの生活もようやく落ち着いてきた。

そんな矢先に届いたのは、「この家を差し押さえ、競売にかけます」という一通の通知でした。

夫婦の約束、公正証書、養育費の取り決め。それらがあっても、金融機関の判断は冷徹です。

今回は、「もっと早く相談していれば助かったのに…」という、痛ましい実話をご紹介します。

なお、任意売却の全体像を知りたい方は、「任意売却とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。

富永順三
  • この記事の監修者
  • 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
  • ・年間相談件数3,000~5,000件
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  • ・売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数
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離婚後、元夫の滞納で突然の競売通知。任意売却で守れた“生活と誇り”

相談者S様

名古屋市瑞穂区/S様(40歳・女性)

職業:医療事務(正社員) / 家族:子ども2人(中3・小6)

【マンション】住宅ローン残高:2,500万円 / 時価:1,900万円

離婚時の約束と、信じていた言葉

離婚して6年目の夏休みでした。突然裁判所から我が家に職員が来て、家の中に入り、写真を撮って帰りました。

そこで初めて、元夫が家のローンを払っていないことを知りました。

ここは元夫所有の家ですが、彼は離婚時、”家のローンも養育費も払っていく、私と子のために残す”と、固く約束してくれ、離婚公正証書も作成したのです。

離婚後、2か月に1回は子どもたちと面会をさせてきましたが、住宅ローンを払っていない、ということは全く聞いていませんでした。

「マンションが競売になるんだけど、どういうこと?」とLINEを送ると、既読になるだけで返事は一切なく、携帯も解約したのか不通になっていました。

不安に思って、元夫の職場に連絡をすると、8か月も前に退職した、とのこと。

彼の両親や兄弟にも連絡を取りましたが、揃って「あの子の連絡先は知らない。どこに居るのかも分からない。」の一点張りでした。

その月から養育費も止まってしまったのですが、もはや公正証書を使って彼の銀行口座や給与を差押えをすることもできませんでした。

その時、子どもは中学3年生と小学6年生。裁判所の方は、「任意売却で競売の取り下げにならない限り、半年以内には競売入札に入るでしょう。」と。

年明けには上の子の受験もあります。金融機関にも何度も掛け合ったのですが、「本人以外とお話は一切できません!」と言われるばかり。

結局、刻一刻と迫る競売に、どうする術もありませんでした。

任意売却119番に駆け込むも、時すでに遅し

S様が当社へ相談に来られたのは、競売開札日のわずか1か月前でした。

当社で物件の査定を行い、銀行にも交渉を試みましたが、すでに開札準備が完了しており、任意売却の受付は締め切られていました。

任意売却が間に合えば、1,850万円前後での売却が可能でした。

しかし、実際の落札価格は1,580万円。約270万円も低い金額で不動産会社に落札され、S様には何の権利も残りませんでした。

▶ 関連記事:住宅ローンを滞納したらいつ差し押さえや競売に?滞納月数別の対処法 

競売成立後、2週間以内の退去命令

裁判所の手続きにより、家は法的に落札者の所有となりました。

S様には「2週間以内の退去命令」。引越し費用も出ず、 長女の受験を控えた時期に、急遽アパートを探すことになりました。

競売になってしまったS様のその後

マンションはどこか知らない不動産会社が落札しました。

同じマンションに住むママ友から、「あの部屋、改装されて新しい人が買ったみたいよ。」と聞いて、やりきれなくて涙が出ました。

元夫からは相変わらず連絡がありません。娘は望んでいた私学への入学を諦め、急遽公立校を受験しました。

二人の子の大学進学など、私一人でどうしたらいいのでしょう。今、生活費と教育費が私の肩にかかっています。

必死に働いていますが、先行きは見えません。せめて、元夫が養育費だけでも払ってくれれば、と彼からの連絡を待っています。

▶ 関連記事:競売とは?不動産の強制売却を回避する方法を紹介 

わずかの差で救えたはずの家

競売と任意売却では、金額・手続き・人への影響がまるで違います。

今回のように、あと1ヵ月早くご相談いただければ、競売を止めて、 残債交渉や引越し支援金の確保が可能でした。

「もう少し早く知っていれば」。 S様のこの言葉は、今も心に残っています。

▶ 関連記事:任意売却と競売の違いは?メリット・デメリットを図解で徹底比較 

同じ後悔を繰り返さないために

テレビ東京ゆうがたサテライトで任意売却119番の支援事例が紹介

離婚後も住宅ローンの名義が元配偶者のままになっている場合、 その家には「見えないリスク」が潜んでいます。

「滞納していないはず」と思っていても、実際には知らぬ間に延滞が進んでいるケースも多くあります。

任意売却は「家を失う手段」ではなく、家族を守るための最後の選択肢です。 手遅れになる前に、専門家へご相談ください。

▶ 関連記事:任意売却とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説 | 任意売却119番

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