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2021/09/09(公開: 2021/05/12)

任意売却の流れ:滞納で家はいつ差し押さえになる?

住宅ローン滞納何ヶ月で競売に? 滞納月数別の対処法

住宅ローン返済を何ヶ月滞納すると競売・差押えになるのか?

「せっかく手に入れたマイホームなのに、住宅ローンの支払いが厳しくて滞納してしまった。この先、いったいどうなるのだろう?」このような不安を抱えておられる方のために、競売や差押えの時期、住宅ローンの滞納月数別の対処法について解説いたします。また、任意売却が絡むと、期間として違いが生じる点も併せてご説明します。

(1)滞納初期(滞納1~3ケ月)

住宅ローンを滞納し始めると、およそ1ケ月から3ケ月の間に、債権者である銀行から様々な書類(催告書や督促状など)が届くようになります。滞納1ケ月前後であれば、取り立ての際の文言はまだ厳しくありません。

滞納2~3ケ月になると、このまま支払えない場合、滞納している住宅ローン(元金)ならびに遅延損害金を一括返済してもらう。信用情報にも登録する、いった内容の通知が届くようになります。銀行から直接電話で催促される事もあるでしょう。

催告書

催告書
住宅ローンの支払いが滞って4カ月から半年程度になると、『ローン契約破棄の予告』として、期限の利益の喪失通知、あるいは催告書が届きます。

債権者から融資額に関して○月分の約定返済が為されていないため、遅延返済金と損害金の全額を○月○日までに返済してくださいといった内容です。

督促状

(2)滞納中期【代位弁済・債権移管期】(滞納3~6ケ月)

滞納が始まり3~6ケ月が経過する頃、重大な局面を迎える書類(催告書)が届きます。それが〝期限の利益の喪失通知〟です。

住宅ローンを組まれた時、銀行と取り交わす契約の中に、毎月分割して住宅ローンを支払って良いという内容が含まれます。これを〝期限の利益〟と呼びます。

住宅ローンの支払が止むなく出来なくなると、契約を守らない債務者に対し、銀行は分割して支払う権利を無効にします。これが〝期限の利益の喪失〟です。

この書類が届いた時点で、債務者は住宅ローンを一括で支払うことしかできなくなります。さらに、期日までに支払わなければ、保証会社に保証金の支払を求めた旨の通知も届きます。

ここで言う〝代位弁済〟とは、滞納が続く債務者に代わり、保証会社がローンの全額を銀行に支払う行為のことを指します。

代位弁済後は、銀行ではなく保証会社から請求が来ます。「住宅ローンの残額及び遅延損害金を一括返済せよ」といった厳しい内容になります。一括返済などは到底できませんが、そのまま放置しておくと、すぐに競売の申立が行われ、ほぼ1年も経たないうちに競売になってしまいます。競売を回避するためには〝任意売却〟の速やかな手続きが必要です。

期限の利益の喪失通知(予告)

期限の利益の喪失通知(予告)
催告書や督促状をそのまま放っておくと、期限の利益を喪失する旨の予告通知が届きます。期限の利益というのは、銀行のローン契約等で定めてある、債務者は返済期限が来るまでは返済を猶予される権利のことですが、この権利を喪失することになれば、債権者側は債務者に残りの全額を一括返済することができるようになります。

代位弁済(債権譲渡)通知

代位弁済(債権譲渡)通知
代位弁済通知が届いたということは、保証会社が債務者の代わりに、債務の全額をすでに一括で銀行に支払ったことを意味します。債権は銀行から保証会社に移行され、今後は保証会社に対して返済を行なっていくことになります。保障会社も一括返済を迫ってきますが、払えないでいると、今度はサービサーと呼ばれる債権管理回収業者に債権が回り、不良債権として扱われる危険性も出てきます。

(3)競売初期【開始決定期】(滞納6~10ケ月)

滞納しはじめてから、何もしないでいると、半年から8カ月目くらいに、裁判所から競売開始決定通知書が届くでしょう。競売開始を以って、差押えをうけた、という意味です。

実は、『期限の利益の喪失』または『催告書』を受けた段階で任意売却を申し出ておけば、競売は先送りできることがほとんどです。

競売開始決定通知書

競売開始決定通知書
保証会社が、競売を開始する旨の通知書を裁判所に送付したことを知らせる書類です。この手続きによって対象不動産(債務者の自宅)が差し押さえられたことを意味します。つまり、債務者は勝手に自宅を売却したり処分したりできなくなるということです。

(4)競売中期【現状調査期】(滞納8~12ケ月)

現況調査

競売の手続きがスタートしたことを実感させられる出来事として〝現況調査〟があります。裁判所の執行官と不動産の鑑定士が自宅を訪れ、居住者へのヒアリングと物件の撮影があります。

仮に調査当日、自宅を留守にしていても、権限によりカギを開錠して、調査を行うことができます。調査当日、都合が悪い場合は裁判所へ連絡し、訪問日を変更してもらいましょう。ただし、まったく調整に応じない裁判所もあります。

現況調査報告書 現況調査報告書

現況調査報告書
裁判所の執行官と不動産鑑定士が債務者の自宅を訪れ、 物件の状況を克明に調査した後に提出される書類がこ の現況調査報告書です。この調査結果をもとに、競売 物件としての詳細(価格・スケジュール等)が確定します。

(5)競売後期【期間入札開始期】(滞納12~16ケ月)

入札期間のお知らせ

滞納が10ケ月から12ケ月になると〝期間入札決定通知書〟が届きます。ここで言う〝入札期間〟とは、競売に掛けられた不動産の購入希望者が、裁判所に購入金額を提示して申し込むことのできる期間のことを指します。入札の期間はおよそ1週間です。入札が開始されたということは、いつ落札されてもおかしくない状況(落札とは最高金額で入札した人が対象物件を手に入れたことを意味します)にあるということですので、この段階での任意売却を容認する金融会社は多くないというのが現実でしょう。任意売却を行うには、タイムリミット寸前の状況です。

期間入札決定通知書

期間入札決定通知書
競売物件となった債務者宅の入札開始期間~入札終了期間および、入札の開札日が記載されています。ここで提示された入札期間の間に、購入希望者の入札を募り、最高額を提示された方が最終的に当該競売物件の買受人となります。

(6)任意売却申し出のタイミング

住宅ローンを滞納し続け、放置してしまったその先には競売が待ち受けています。金融機関から届く様々な書類に始まり、裁判所からの通知や執行官・不動産鑑定士の訪問など、不安なことも多いと思いますが、決してあきらめず、冷静に対処することが大切です。一般的に、住宅ローンを滞納し出してから6ケ月頃までに、任意売却か競売かの選択を決断しておく必要があると言われています。なぜなら、任意売却の手続きにかける時間に余裕があればあるほど、解決の選択肢の幅が広がるからです。

代位弁済後でも、競売開始決定後でも、任意売却という手法で競売を回避することは可能ですが、競売末期(開札日前日というギリギリの状況)となると、急を要する手続きとなり、担当にも高度なスキルや経験が求められるため、成功することは難しく、時間切れとなるケースや自己破産を余儀なくされることも少なくありません。

滞納前や滞納初期段階の場合、まだ精神的に余裕があることから、任意売却を行うべきか、もう少し様子を見たほうが良いのか、迷ってしまわれる方が多いようです。どの段階であろうとも可能性はありますので、一人で悩まず、まずは電話やメールによる無料相談をご利用ください。