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2021/08/24(公開: 2021/05/17)

離婚の際、気をつけたい共有持ち分の考え方

離婚による住宅ローン破綻で、任意売却件数が増加傾向

マイホームを購入する際に、住宅ローンを夫婦の「連帯債務」としたり、妻が夫の「連帯保証人」となることがよくあります。これらの責任は、家庭が円満で順調に住宅ローンの返済が行われているうちは気にならないものです。

しかし、夫婦仲が悪くなってしまい別居生活となったり、離婚を考えるようになると、将来夫が住宅ローンを滞納して自分に請求が来るのではないか、自宅を競売にかけられてしまうのではないかなど、にわかに不安になってくるのではないでしょうか?

住宅ローンの「連帯債務」や「連帯保証債務」は、離婚の際にはどのように扱われるのか、離婚後、思わぬトラブルを避けるためにはどのような対策をとればいいのでしょう。

♦「連帯債務者」と「連帯保証人」及び「保証人」の違いとは

まず、「連帯債務者」と「(連帯)保証人」の違いは、夫婦の共有名義で住宅ローンを組んだ場合、連帯債務者が月々の住宅ローンの返済を続けていくよう常に求められるのに対し、(連帯)保証人は住宅ローンの契約者(主債務者といいます)による支払いが滞った場合、初めて返済請求(返済督促)を受けるという違いがあります。

次に「連帯保証人」と単なる「保証人」の違いは、単なる保証人は住宅ローンの名義人の資力(財産)がある限り請求を拒むことができますが、連帯保証人は住宅ローンの名義人の資力(財産)があるとしても請求を拒むことができない、という違いがあります。

「連帯債務者」と「保証人」「連帯保証人」にはこのような違いがあります。これらに共通するのは、「離婚後もこれらの地位にあり続ける場合、元夫(元妻)の住宅ローンの支払いが滞ったときに、あなたに責任・債務が降りかかってくるおそれがある」という点です。

♦「連帯債務者」「保証人」「連帯保証人」は完済まで続く責任

離婚をして夫名義の自宅から出ていくことになったり、不動産名義を夫単独の名義に変更して、(登記簿上)所有者が夫のみになったとしても、住宅ローンを組んだ際の「連帯債務」や「連帯保証債務」「保証債務」の地位から自動的に解放されるわけではありません。

協議離婚の場合、夫婦間で口頭・離婚協議書・離婚公正証書などにより「離婚後は夫のみが借金を負担することとする」というような取り決めをしたとしても効力はありません。

なぜなら、離婚時の夫婦間の合意だけで返済義務を免れるようなことは、夫婦2人分の収入や財産を審査してお金を貸した債権者である銀行は、到底承諾しないでしょう。

夫婦の財産を分け合う財産分与では、プラスの財産については二人の話し合いで自由に分割することができますが、マイナスの財産(借金)については銀行(借入先)との関係があるため、二人の話し合いだけでは自由に分けることができないのです。

♦銀行(債権者)の承諾がないと債務を免れることはできない

離婚の際に、連帯債務や保証債務から免れるためには、債権者(銀行、借入先)の承諾を得る」ことが必要となります。銀行が無条件でそのような承諾をすることはまずありません。承諾を得るには、次のような条件が必要となります。

①自分と同等以上の返済能力を持つ人を代わりの保証人として用意する。

②住宅ローンの額に見合う価値のある不動産を担保に入れるなどの代替条件を提示する。

しかし、住宅ローンという大きな債務について保証人となってくれる人を見つけるのは簡単ではなく、もし両親や兄弟に頼むことができたとしても、将来にわたって安定した収入が見込める人でなければ銀行の審査に通らない可能性もあります。

潤沢な資金を用意できるのであれば、ローンの大部分を返済することにより、保証人を外してもらえる可能性もありますが、銀行の承諾を得るには、難しい条件があるということを理解して、自分の代わりとなってくれる保証人探しに取り組む必要があります。

♦住宅ローンの借り換えを考えてみる

離婚後に債務を負わないようにする方法の一つとして、住宅ローンの借り換えが考えられます。住宅ローンの借り換えを検討する際にも、銀行の審査という大きなハードルがあります。それには、住宅ローン審査に耐えられるだけの収入が求められます。

♦マイホームを売却して住宅ローンを清算する方法

銀行の承諾が得られず、住宅ローンの借り換えも難しい場合には、自宅を売却する手段を検討することとなります。自宅の売却による残債の返済には、「一般売却」または「任意売却」の方法を検討することになります。

《まとめ》

夫婦で住宅ローンを組んで連帯債務を負担していたり、夫の名義で組んだ住宅ローンについて、妻が保証人や連帯保証人になっていたりする場合、上記のような難しい問題が生じます。離婚後に問題を抱えてしまわないように、いろいろな方法を検討しながら清算の仕方を考えておく必要があります。