これから「変動金利」を選ぶ人が想定すべき”最悪の事態”
プレジデント・オンライン:
3つに大別される住宅ローンのうち、フラット35に代表される「全期間固定型」。
返済の全期間、融資実行時の金利を返済期間中にわたり適用するしくみです。金利がいかに上昇しようと、住宅ローンの適用金利は変わりません。金利アップ分は、金融機関負担となります。
対して「変動金利型」は、金利のアップ分は住宅ローンの借入者側が負うしくみになっています。昨今の主流は「変動金利型」で、実に新規契約の7割を占めるというデータも公表されています。
ほとんどの変動金利型で、「5年ルール」と「1.25倍ルール」というしくみが組み込まれています。これは、金利を年2回見直すところが主流であり、その度に毎月返済額が変わってしまうと、家計管理がしづらいのが主な理由です。
「5年ルール」とは、たとえ金利が変動しても5年間は同じ毎月返済額にする措置です。支払い中に金利が上がってしまうと、本来はその上昇分を毎月の返済額に転嫁せねばなりません。しかし、金利が大きく上がったからと言って、返済額が大幅にアップしてしまうのは、多くの家計にとって厳しいはずだからです。
「1.25倍ルール」は、直前の5年間の毎月返済額の1.25倍までに抑えるというものです。例えば、月5万円の返済額であれば、金利が二倍になっていようと当面は62500円までの支払い額に収まります。
しかし、家計への配慮から「変動金利型」に組み込まれた「5年ルール」と「1.25倍ルール」が、この金利上昇局面においては裏目に出て、最終的に家計を追い詰めることはあまり知られていません。縛りに収まりきらなかった部分が借金として積み上がるからです。