【元旦那から家を買う】なぜローンが通らない?離婚による住宅ローン借り換えを成功させる方法
「離婚後も住み慣れた家に子どもと一緒に住み続けたい」という相談は非常に多いです。
そのために、元旦那名義の家を買い取りたい、という声も多いですが、いざ住宅ローンを組もうと銀行に相談すると、「審査落ち」の回答ばかり、というのが現実です。
実は、離婚後の元夫婦間での不動産売買やローン借換えは、通常の売買とは異なり、金融機関の特別な審査基準が適用されるため、非常にハードルが高いのが実情です。
この記事では、元夫名義の家を元妻が買い取り、ローン名義を自分に変えることがなぜ難しいのか?
そして、安定収入があっても審査に通らない状況を打破し、借換えを成功させるための唯一の方法について、成功事例を交えて解説します。
なお、任意売却について知りたい方は、「任意売却とは?仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。

- この記事の監修者
- 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
- 宅地建物取引士
- 運営元:任意売却支援機構株式会社
- 会社概要:運営事業者情報
- 経験年数:創業20年 / 年間相談件数3,000~5,000件
- メディア実績:日本経済新聞、テレビ朝日 羽鳥慎一モーニングショー、NHKクローズアップ現代+など
- ・8割以上の方が相場に近い価格で売却に成功
- ・売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数
- ・くわしい経歴→富永順三のプロフィール
住宅ローン問題の専門家選びでお悩みの方へ20年の経験を持ち、数々のメディアで実績が証明された専門家が、最適な解決策を無料でご提案します。
目次
審査に通って当然の住宅ローンがなぜ通らない? Nさんの事例
- 相談者:Nさん(30代女性 会社員)
- 年収:620万円 会社員 勤続14年
- 状況: 元夫名義の家に居住し、ローンを実質負担。他に借金なし。
相談の経緯
元夫名義の家にNさんが居住し、ローンを負担している。Nさんは新卒から大手企業勤務。
融資希望額は2000万円もなく、他に借金はない。ローンは充分借りられるはず。インターネットサイトの試算でも確認済でした。
しかし、どの銀行からも結果はNO。元夫から再三「ローン名義を変えないなら、売却するから出ていけ」と言われて困っており、同居する子どものためにも元旦那から家を買いたい、という相談内容でした。
実は、Nさんのように、返済能力には全く問題がないと客観的に判断できる方でも、元夫名義の家を買い取るための住宅ローン審査は通りません。
そもそも論として、元夫婦間でローンを借換えればいいだけでは?
よく「元旦那のローンを妻名義に変えて審査がOKなら名義だけ変えればいいのでは?」という質問を受けますが、銀行はこれを原則として認めません。
「契約の引き継ぎ」は銀行にとってリスクが高すぎる
銀行にとって「借りる人」と「担保」の条件が全く変わってしまうため、一見シンプルな「契約の引継ぎ」を認めません。
理由は以下の2点です。
金利の問題
まず前提として、住宅ローン金利は人によって異なります。そして銀行は、元夫の収入と信用度を見て、今の低い金利を決めました。
元夫が交わした住宅ローンの契約内容を、元妻名義を差し替えるだけだと、元妻(が抱えているかもしれない滞納などのリスク)に見合った新しい金利を適用できず、銀行側の損失につながるため嫌がります。
今回のケースの元妻のような高収入の方でも、銀行は基本的に「元夫婦間」というだけで一律NGを出します。
どんなに収入が高くても、銀行のシステムやルール上、「元夫婦間」の取引は親族間売買に近い特殊なリスク案件として扱うためです。
担保のルールが変わる問題
銀行は元の契約者(元夫)との間で、「家を担保にする」という約束をしています。
あなたがローンの名義だけでなく、家の名義も引き継ぐとなると、元の契約ルールが崩れ、トラブル時の回収の手間が増えることを嫌がります。
また、元夫がローン契約した時とは、担保の価値(家の価値)も変わっているため、単純な「契約の引継ぎ」を認めないのです。

つまり、銀行は「面倒でリスクが高いローン契約者の変更」を避け、「一度元の契約を清算し、新しいルールでイチから契約し直してほしい」と考えているのです。
元夫から家を買い取るための「唯一の解決法」
では、Nさんのように安定した収入があってもローンを断られてしまった場合、どうすれば元夫から家を買い取れるのでしょうか?
元夫婦間の不動産売買を扱える「特別な銀行」を選ぶ
Nさんが審査に落ちたように、ほとんどの都市銀行(メガバンク)やネット銀行は、親族間(元夫婦間も含む)の取引を「贈与や不正利用のリスクが高い」として、積極的には扱いません。
特別な事情がある取引を扱うのは、主に以下のような種類の金融機関の一部です。

「元夫から家を買い取る」という取引は特殊なので、離婚や親族間売買の実績がある専門的な不動産業者への依頼をおすすめします。
なお、Nさんのケースでは、提携金融機関において正当な手続きを経ることで、住宅ローンはあっさりと承認されました。
収入が安定している方でも、貸し手の決まり(審査基準)を把握し、必要な準備を整えることが、元夫婦間での住宅ローン借り換え成功の先決条件となります。
なぜ元旦那から家を買うのは難しい?審査に通らない3つの理由
普通の銀行は、家を買う時のローン(住宅ローン)を、「全くの他人同士の取引」のために用意しています。
でも、元夫と元妻という関係は、戸籍上は他人になっていても、銀行から見ると「元々家族だったから、何か特別な事情があるんじゃないか?」と疑われてしまい、審査がとても厳しくなってしまうのです。
銀行が元夫婦間の不動産売買に慎重になる、主な3つの理由は以下の通りです。
1.贈与を疑う
もしあなたが元夫にお金を払って家を買ったとしても、銀行は「本当に売買なのか?」「本当はタダであげた(贈与)んじゃないか?」と疑います。
もし「贈与」だった場合、住宅ローンで借りたお金を、家を買う以外のお金に使ったり(不正利用)、税金の問題が発生したりする可能性があるからです。
銀行は、ローンの使い道が正しいか、ルール通りかを厳しくチェックしたいのです。
2. 「家の値段」が正しいか信用できない
銀行は、もし元妻がローンを返せなくなった場合、その家を売って残りを回収します。
この「売れる金額」を家の本当の価値(担保価値)と呼び、銀行にとって、この価値が正しいことが大事なのです。
元夫婦間で家を売買する場合、この「正しい価値」からかけ離れた値段になりがちなので、銀行は夫婦間売買を嫌います。
具体的な「不自然な値段」の例
| ケース | 元夫婦間で決めた値段 | 銀行が信用できない理由 |
| 相場より極端に安い | 市場で売れば2,500万円の家を、元夫が「早く手を切りたい」と2,000万円で元妻に売る。 | 銀行は2,500万円の価値があると見ていますが、売買が2,000万円だと「実は贈与ではないか?(税金逃れ?)」と疑います。銀行は法律が守られていない取引には関わりません。 |
| 相場より極端に高い | ローン残高が3,000万円あるが、家の市場価値は2,500万円しかない。元妻が「何としてでも手に入れたい」と3,000万円で買い取る。 | 銀行は2,500万円の価値の家に3,000万円を貸すのはリスクが高すぎます。もし元妻がローンを返せず家を売っても、500万円分のお金を回収できなくなるからです。 |
3. トラブルに巻き込まれたくない
元夫婦間の問題は、お金だけでなく、感情的なもつれが残っていることが多いですよね。
銀行は、お金を貸すだけが仕事で、離婚後の複雑な人間関係やトラブルに巻き込まれるのは避けたいと思っています。
元旦那名義の家を買い取る以外の選択肢
元旦那から家を買い取ろうとしても、ローン審査がどうしても通らない場合や、そもそも買い取る資金の準備が難しい場合もあります。
そんな時に検討できる、家を出ずに住み続ける方法と家を手放す方法を2つご紹介します。
① リースバック(売った後も住み続ける方法)
リースバックとは、家を売却した後、その新しい持ち主(買主)に家賃を払いながら、そのまま同じ家に住み続ける方法です。
| メリット | デメリット |
| 家に住み続けられるので、子供の転校などが必要ない。 | 家賃の支払いが発生する。家を売ったお金を家賃に充てることになります。 |
| まとまった現金(家を売ったお金)を手に入れられる。 | 将来、家を買い戻すことができますが、売却時よりも高い値段になることが多い。 |
▶ 関連記事:リースバック・住宅ローン困難のまま住み続ける
② 家の売却
元夫から家を買い取るのが難しい場合は、家を売却し、離婚を機に住まいを移すことを検討するのも現実的です。
家がローンの残高よりも高く売れた場合、そのお金(売却益)を財産分与することで、離婚後の新しい生活の資金にできます。
もし、家を売ってもローンが残る(オーバーローン)場合は、任意売却を考えることになります。
▶ 関連記事:任意売却とは?流れをわかりやすく解説
まとめ
これまで解説した通り、元夫から家を買い取る取引は非常に特殊です。
任意売却119番は、この種の元夫婦間の複雑なローン問題を専門に扱っています。
元夫婦間の不動産売買でお悩みの方は、いつでもご相談ください。
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