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(45)元夫名義の家に住んでいますが、元夫がローンを滞納しています

元夫がローンを住宅ローンを滞納。住んでいる私と子どもは出ていくことになりますか?
「離婚後は養育費代わりとして住宅ローンは支払う。」と言っていた元夫がローンを滞納した場合、誰かが代わり支払う、といった対応ができない限り、その家に住み続けることはできません。ローンの貸し手は、契約違反をした相手の資産を差押えて、資金を回収する権利(抵当権)を持っているからなのです。


『元夫の家に妻子が住んでいたい。方法はありますか?』

元夫名義の家に妻子が住み続ける方法

1)ローンを全額返済して、名義を財産分与で妻に変更する

2)妻名義でローンを借りて、所有権も妻にする

1はもっとも確実な方法です。離婚時に名義を住む人のものにするなど、手続きをすべて完結してしまえば、その後家のことでお互いに連絡を取り合う必要はなくなるでしょう。

2は金融機関と妻の年齢や収入、ローンの額と利率・返済期間にもよりますが、妻に一定以上の収入があれば見込みはあります。ただし、夫婦間のローンの付け替えには応じない金融機関もあるので、”妻の収入が高いなら大丈夫”と断言はできません。


上記の方法が取れないので、手続きはせずに妻子が住む場合

●離婚後も夫名義の家に住み続けるリスク
★ケース1
離婚後たちまち滞ったローン。一週間内に荷物ごと退去せよ、と言われても…。

神奈川県 Iさん 40代女性 小学生の子どもを育てるシングルマザー

<相談の経緯>
ある日、私がパートから帰宅すると、家の中のめぼしい家財と夫の荷物が消えていました。その夜彼から電話で「不倫相手との間に子どもができた。だからお前とは離婚する。」と切り出されました。その時はひどく動揺してしまったうえ、相手の女性とその親に懇願されたのもあり、離婚に応じてしまいました。夫には「慰謝料として財産は全部渡す。家のローンも払う。今後の生活は保障する。」と言われていました。

夫…元夫ですが、彼はそもそも給与明細も見せない人で、預貯金がいくらあるのかも分かりません。離婚後は、私からの連絡には応じず、子どもからの手紙すら返送されてきました。養育費は一切なく、職場へ電話をすると、勤務先まで変えていることが分かりました。結局預金なども渡してもらえず、離婚した翌々月には銀行から「親展」と書かれた封書が届くようになり、思い切って開封すると住宅ローンの督促状。銀行に私が問い合わせても「ご本人でなければ回答できません。」と言われるばかりでした。

<任意売却に同意するまで>
このケースも「離婚後も元夫名義の家に住み続けるには」というご相談でした。しかし、すでにローン滞納が続いており、奥様ではローンを負担できる収入もないため、手放さざるを得ない状況でした。

問題は、所有者兼債務者である夫の動向です。物理的に連絡を絶っていても、Iさんとの間にお子さんがいる以上、所在を調べる方法はあります。Iさんが手を尽くした結果、元夫の居場所が分かり、弁護士名で通知を送りました。その後、元夫は弁護士経由で任意売却を申請しました。

<相談者より>
任意売却はできました。家が競売にならなかったので、恥ずかしい思いをせずに済んだことはよかったと思います。私が無知で、相手に押されるまま離婚に応じたのは失敗だったと思います。元夫を信じたい、というのはきれいごとで、実際は子どもの将来まで考えが至りませんでした。元夫へは弁護士を通じて、養育費や慰謝料、財産分与を請求しています。

★ケース2
離婚公正証書で「ローン完済時には妻名義にする」としていた

埼玉県 Hさん 30代女性

<相談の経緯>
地方で単身赴任をしている夫の不貞行為で離婚しました。夫からは、めぼしい財産がないので、家に私が残り、住宅ローンの返済は元夫がする。完済時には財産分与として家を私に名義変更することを公正証書にしました。
それなのに離婚して1年くらいで弁護士名で「家を売却する」と通知がきました。どうも自己破産をするようです。

<任意売却に同意するまで>
『離婚時の約束が絵に描いた餅』というのは、非常に多いケースです。なかには、離婚を取り付けるために妻の要求を全部のんでおいて離婚直後、行方が分からなくなる、自己破産をする、といった例もあります。そもそも財産分与には時効があり、離婚後2年と定められています。完済時に名義変更した場合、贈与となるため、妻側は相応の贈与税を支払わなくてはなりません。

私どもは弁護士からの依頼で、Hさんに退去の時期などの案内へ伺ったのが最初のご縁でした。当初は公正証書が絶対的な効力を持つ、と考えていた様子でした。

<相談者より>
元夫はもともと時期をみて自己破産するつもりだったと思います。私が退去に応じない場合は競売で処分されるので、仕方なく転居しました。付近に手ごろな賃貸が見つからず、子どもは中学の学年途中で転校せざるを得なくなりました。一層元夫に腹立たしい思いを抱えています。

★ケース3
契約違反と承知で家の名義だけ書き換えたけれど、競売開始となった

大阪府 Wさん 50代女性

<相談の経緯>
裁判を経て、6年前に離婚しました。家の土地は亡父から相続を受けたので、夫名義の建物は財産分与として私に変更しました。ローンも私にできればよかったのですが、当時は専業主婦だったので、ローンは組めなかったからです。離婚後は私が働いてローン分を入金していたのに、ある日『競売開始決定通知』が自宅に届きました。元夫が私の振り込みを使い込んでいたのです。

<任意売却に同意するまで>
債権者(ローンの貸し手)に連絡をし、「滞納分を払いますので、ローンを続けたい。」と申し出たのですが「元本含めて一括返済しないと競売は取り下げができません。」と。弁護士にも相談したのですが、「どうしようもない」と言われただけでした。競売入札の際に室内外の写真がインターネットで公開されることを知り、せめて任意売却で取り下げを図ることにしました。

<相談者より>
結果的に家は義弟が妹名義で買い受けてくれました。曾祖父から受け継いだ土地なので、他人の手に渡らずに済んだことにホッとしています。借金癖のある元夫と連絡が取れただけでも御の字という、なんとも釈然としない気持ちです(債務者と連絡が取れない場合も競売となるため)。私名義にすれば安心だ、と思っていましたが、住宅ローンが残っている限りは自分のものではないのですね。


◎まとめ
家の名義は看板、ローンは実体です。

<住宅ローンとは、名義人が住む家のために貸す借金>

離婚後も夫名義の家に”安心して住み続けたい場合は『住宅ローンを完済する』か『妻または親族がローンを借り換える』のどちらかしか方法がありません。妻にローンを借りるだけの収入や資産がない場合、契約違反を承知でローンを継続することになります。ローンの契約違反に対するペナルティ(罰則)は主に”優遇金利の撤廃”か”一括返済請求”です。

<ローンを払っていれば大丈夫?>
ローンを支払っている限りは、金融機関も所有者が物件に住んでいるか、名義を勝手に書き換えていないか、などは調査しないことのほうが多いようです。だからローンを払っている限り安心か?と聞かれるとそれは金融機関の動向や判断でよる結果であるため、私たちにも分かりません。

<ローン以外の家の維持費は誰が負担するの?>

ただ言えるのは、家にこだわるあまり、離婚しても関わり続けるほかない元夫婦が少なくない、という現実です。家の維持にはローンだけではなく、固定資産税や損害保険、修繕費が必要です。それを誰が負担するのか。

<家にこだわって、将来が危うくならないのか?>

また、子どものために転居や転校はさせられない、と家を優先する方が多いのですが、そもそも子どもにとって環境の変化の全部がかわいそうなことなのか、冷静に判断する必要があります。家の維持にも上記の通り、多額の費用がかかります。家のために資金を枯渇させて、子どもや本人たちの老後を苦しくないように考える広い視野も必要ではないか、と多くの事例を通して感じています。

<完済時に名義を書き換えた際の費用と税金は受け取る側が用意する>

また、家のローンを離婚後何年も経って完済できたとして、約束通り名義を書き換えても、登記費用や不動産取得税、多額の贈与税は通常、受け取る側である妻が負担することになります(離婚後の財産分与は2年で時効となる)。元夫が果たしてローン負担に加え、離婚後長く経った元妻に、書き換え費用、税金まで出してくれることまで期待しないほうがいいでしょう。