公売:税金の滞納で住宅ローンが共倒れに
Iさんは50代半ば。収入が不安定な営業職の夫がおり、家計を注意深く管理してきました。あと数年で迎える夫の定年退職までに住宅ローンは完済するべく、繰り上げ返済を頑張ってきました。ただ、固定資産税は後回し。年10万円ほどの額も数年溜めると、「仮差押え通知書」を受け取る事態に。それでも特段の支障がなかったので、払える時に1期分だけ納付するといったことを繰り返していました。
公売予告を受け、住宅ローンも一括返済請求へ
ある日、自宅の所有者であるご主人に銀行から電話があり「窓口にお宅が差し押さえになった通知が来たため、以後は保証会社に管理が移ります。近々、一括返済請求をします。」と言われました。
ご主人にすればまさに”青天の霹靂”。家計はしっかり者の妻であるIさんに任せていましたし、Iさんもパートで家計を支えてくれていましたので、最初は詐欺の電話ではないか?と思ったそうです。
自宅は土地値で任意売却。買戻し予定。
妻のIさんは元来真面目なタイプで、家のローンを早く終わらせようと繰り上げ返済を頑張っていながら、税金滞納の怖さを知らず、支払いを先延ばしにしていました。そのため、手元に現金がなかったのです。住宅ローンの残高が少なかったのがかえって仇となり、差押えの憂き目にあったという面は否めません。
物件の建物の築年数が古かったため、土地値で親族に売却して公売を取り下げ。ローンと税金は完済できたため、ご主人の信用情報には事故がなく、数年先に買戻し予定です。
《まとめ》
住宅ローンさえ払っていれば安心、家が維持できるとは限りません。税金やカードローン、消費者金融への支払い義務を怠ると、伏兵となります。注意しましょう。