任意売却で共有名義の住宅ローンを整理し夫の自己破産を乗り越えた事例
共有名義で住宅ローンを組んでいるご家庭では 一方が自己破産するともう一方に返済義務が残ることがあります。
任意売却はこうした複雑な債務を現実的に整理できる手段のひとつです。
本記事では夫の自己破産後に任意売却を行い 残債を相続資金で完済した事例を解説します。
なお、任意売却の全体像を知りたい方は、「任意売却とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。

- この記事の監修者
- 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
- ・年間相談件数3,000~5,000件
- ・8割以上の方が相場に近い価格で売却に成功
- ・売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数
- ・くわしい経歴→「競売体験者」だからわかります
目次
任意売却で共有名義の住宅ローンを整理し夫の自己破産を乗り越えた実例

I様(38歳・派遣社員/子2人)
- 所在地:京都市右京区
- 家の形態:マンション(共有名義:夫80%/妻20%)
- 住宅ローン残高:3,800万円
- 査定時価レンジ:3,550~3,680万円(本件成約:3,620万円)
購入のきっかけと誤算
結婚を機に注文住宅感覚で設備にこだわったマンションを購入。
販売会社の提案で共有名義(妻20%)+連帯債務に。夫の年齢要件から35年返済にするための提案で、当時は「良い方法」と受け止めていました。
ところが翌年、夫が独立→1年で閉鎖。返済は徐々に苦しくなり、別居・調停へ。
夫の自己破産で浮き彫りになった「共有名義×連帯債務」のリスク
金消契約を確認すると、やはり連帯債務。夫が自己破産に踏み切ると、残債の責任は妻にも及ぶ構造です。
I様の年収は約240万円。養育費5万円を受けても、生活費で手一杯。競売に進む前に市場価格で売って損失を最小にするため、任意売却を選択しました。
売却活動はどう進んだか
- 相場査定・販売戦略の確定:右京区の直近成約・在庫・内見動向から3,580~3,680万円のレンジで価格設定。
- 関係者調整:抵当権者、夫側弁護士(自己破産申立て)、共有者同意書の取得。破産管財人が関与し、配分と手続の整合を確認。
- 販売開始:レインズ+主要ポータル掲載、週末内見を集中設定(小さなお子さん配慮で時間指定)。
- 申込・与信:一次申込3組→資金計画が堅実な買主で進行。
- 残代金決済・引渡し:司法書士立会いで抵当権抹消と同時に精算。
任意売却による解決の流れ(お金の動き)
- 成約価格:3,620万円
- 売却諸費用:約120万円(仲介手数料・登記費用等)
- 債権者への配分:3,620万円 − 120万円 = 3,500万円を一括弁済
- 売却後の残債:3,800万円 − 3,500万円 = 約300万円
- 不足分の処理:夫側の親族相続(取得額の一部)で不足分を完済。管財人・債権者の同意のもと処理
この結果、I様側の長期分割や遅延損害金の発生を回避。
共有名義・連帯債務でも、売却時価の確保+不足額の合理的な原資手当が揃えば、短期で「完済扱い」に到達できます。
担当コンサルのコメント

共有名義×連帯債務は、「どちらか一方が破産=片方に全負担」になりがちです。
I様は早期に相談いただいたため、相場に近い価格での売却・関係者調整・不足分の原資確保を同時並行で進められました。
右京区は実需が堅いエリアで内見が取りやすいのも功を奏しました。
「金消契約の確認」「同意書の先行取得」「販売と清算スキームの事前合意」がポイントです。
任意売却を終えたI様のコメント

3回目の調停で、夫の口から「養育費も住宅ローンも払えない、自己破産する」と聞かされた時、正直、頭が真っ白になりました。家も生活もどうすればいいのか、その場では何も考えられませんでした。
私はずっと子どもたちのために働いてきたのに、「自分のせいじゃないのに連帯債務だから払え」と言われる現実に、理不尽さしか感じませんでした。
夜になると考えが止まらなくて、何度も眠れない日が続きました。
それでも、相談した担当の方が丁寧に流れを説明してくれて、売却後の数字や相続の処理もすべて整理してくれたのが救いでした。
正直、気持ちの整理はまだついていませんが、ようやく「子どもたちとやり直せる場所ができた」と思えるようになりました。
共有名義や自己破産でお悩みの方へ

取材実績:テレビ朝日モーニングショーで当社の任意売却支援が紹介
共有名義や連帯債務でも、売却価格の目安・諸費用・不足額・原資候補が見えれば、解決の筋道は描けます。
今回のI様のように、相場で売る→不足分を合理的に手当て→完済という流れも再現可能です。
状況をお聞かせください。最短で現実的な打ち手をご提案します。
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