離離婚と養育費で住宅ローンがきつい状況を任意売却で解決した事例
京都市伏見区で実際にあった任意売却の事例です。
離婚後、養育費と生活費を支払いながら住宅ローンを払うのは容易ではありません。
特に単身になって収入が減ると、返済が重くのしかかります。
今回は、離婚をきっかけに住宅ローンが払えなくなったM様が、任意売却で競売を回避し、無理のない返済計画を取り戻した実例をご紹介します。
なお、任意売却の全体像を知りたい方は、「任意売却とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。

- この記事の監修者
- 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
- ・年間相談件数3,000~5,000件
- ・8割以上の方が相場に近い価格で売却に成功
- ・売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数
- ・くわしい経歴→「競売体験者」だからわかります
目次
離婚と養育費で住宅ローンがきつい状況を任意売却で解決した事例

京都市伏見区:M様(仮名)
職業:法人営業(時短勤務に変更) / 年齢:35歳 / 家族:妻(別居中)・子1人
【マンション】住宅ローン残高:3,700万円 / 時価:3,450万円(査定レンジ3,380〜3,550万円)
滞納:3か月(代位弁済予告あり) / 管理費・修繕積立金:月2.1万円
離婚裁判で離婚後も生活費と養育費も支払うことに
結婚当初は順調な共働き生活でしたが、第一子の出産を機にすれ違いが始まりました。
奥様は実家に戻り、M様は「落ち着いたら戻るだろう」と信じていました。
しかし、何度迎えに行っても「子どもが小さいうちは実家のほうが安心」と取り合ってもらえず、次第に義両親も離婚を勧めるように。
離婚調停は長引き、最終的には裁判へ。結果、親権は妻、養育費は月4万円、さらに当面の生活費の一部も負担するよう命じられました。
弁護士費用なども重なり、精神的にも金銭的にも追い詰められていきました。
心労で仕事を休職し、復帰後も時短勤務に。収入は大きく減り、月13万円の住宅ローンと管理費2万円を払い続けることは難しくなっていきます。
滞納が3か月を超え、銀行から代位弁済予告が届いたタイミングで、ついに「もう自分だけでは無理だ」と相談に至りました。
売却活動の流れ
- 金融機関へ打診・任意売却同意の取得(保証会社経由)。滞納状況・家計表・離婚確定書類を提出。
- 価格戦略の決定:査定レンジ3,380〜3,550万円。初期設定は3,498万円で一般公開、2週間の反応を見て3,468万円に調整。
- 情報開示:滞納・任意売却である旨は内見時に説明。室内の簡易リペアと写真最適化で印象改善。
- 申込獲得(開始3週間)→ 価格交渉:買主側の住宅ローン事前審査を先行。
- 売買契約(相談から約1.5か月)→ 買主ローン本審査・金銭消費貸借契約。
- 引渡し・抹消(相談から約5か月):残代金受領と同時に抵当権抹消・公共料金精算。
関連記事:任意売却の流れが図解でわかる!相談から引き渡しまでの手順をやさしく解説
任意売却による「お金の流れ」
| 売却価格 | 34,500,000円 |
| 仲介手数料・登記費用・測量等 | 約1,000,000円 |
| 管理費・修繕積立金の滞納清算 | 約150,000円 |
| 抵当権者へ配分(残代金振分) | 33,350,000円 |
| 住宅ローン残高 | 37,000,000円 |
| 売却後の残債(概算) | 3,650,000円 |
上記の残債365万円について、サービサー(債権回収会社)と和解。
遅延損害金の停止・将来利息免除の前提で、月1万円×10年=合計120万円の分割払いに合意。
差額約245万円は債権放棄(約67%圧縮)となり、家計に無理のない返済計画を確保できました。
関連記事:任意売却後の残債はどうなる?払えない時の対処や時効について解説
合意条件のポイント
- 返済能力の確認: M様は給与明細と家計表を提出し、「月1万円なら確実に続けられる」と説明。数字で裏付けを示したことで、サービサーも納得しました。
- 利息の扱い: 和解後は将来利息と遅延損害金がすべて停止。返済が進むほど負担が軽くなる形で合意がまとまりました。
- 引越し費用: 今回は特別な上乗せなし。滞納期間が短く、売却価格も相場に近かったため、通常どおりの清算で完結しています。
関連記事:任意売却で引越し代を確保するコツ
結果と再出発の設計
任意売却により競売を回避し、市場価格に近い水準で売却。
残債は月1万円×10年の分割で和解し、家計の立て直しと養育費の安定支払いを優先できる状態に。
転居後は通勤負担の少ない賃貸へ移行し、固定費の最適化(通信・保険見直し)も同時に実施しました。
担当コンサルの所感

今回のご相談は、離婚と養育費の負担が重なった典型的な「返済困難型」のケースでした。
特に、M様の場合は休職から時短勤務へと収入が減る中で、月13万円の住宅ローンと管理費を維持するのは現実的に難しく、滞納3か月という短期間で金融機関が代位弁済予告を出す展開となりました。
通常、代位弁済後は保証会社を経てサービサーに債権が移るまで一定の時間がかかりますが、今回は銀行・保証会社の判断が早く、スムーズに任意売却の同意が得られた点が印象的でした。
結果として、販売開始から3週間で申込みが入り、競売を待たずに手続きが完了できたのは、まさに「早期相談が功を奏した好例」です。
売却後の残債についても、サービサーとの交渉で将来利息・遅延損害金の免除を前提とした月1万円×10年の分割返済に落ち着きました。
収入状況を数字で説明し、「これなら確実に続けられる」と根拠を示したことで、約67%という高い圧縮率で和解できたのは非常に現実的な成果です。
今回のケースでは、滞納期間が短く売却価格も相場に近かったため、引越し費用の上乗せはありませんでしたが、全体を通してはご本人の誠実な対応と早期行動が最大の成功要因だったと言えます。
「もう少し様子を見よう」と判断していたら、競売手続きに入っていた可能性も高く、まさにタイミングの勝負でした。
関連記事:任意売却と競売の違いは?メリット・デメリットを図解で徹底比較
よくある質問
- Q. 管理費等の滞納はどうなる?
A. 通常は売却代金から清算。残れば残債に含めて和解交渉。 - Q. 分割中に金利は?
A. 本件は将来利息停止で合意。条件は案件ごとに異なります。
まずは家計と返済可能額を数字で整理しましょう

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任意売却の成否は、売却価格だけでなく「残債の着地」で決まります。
今回のように、将来利息を止め、月1万円×10年など現実的な分割で合意できれば、生活の立て直しが早まります。
状況を伺えれば、価格戦略・配分・和解条件まで一気通貫で設計します。
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