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役職定年して住宅ローンを払えない時の注意点と具体的な解決策

企業で役職定年制度が広がり、60歳前後で部長・課長などの管理職から外れるケースが増えています。 その結果、多くの人が大幅な収入減に直面します。住宅ローンが残っている場合、この収入減が返済の大きな負担となり、急に返済が厳しくなるケースが多いです。

今回は、役職定年を機に、住宅ローンの支払いに困難を感じるようになった場合の具体的なリスクと対処法について説明します。

富永順三
  • この記事の監修者
  • 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
  • 宅地建物取引士
運営元:任意売却支援機構株式会社 会社概要:運営事業者情報 経験年数:創業20年 / 年間相談件数3,000~5,000件 メディア実績日本経済新聞テレビ朝日 羽鳥慎一モーニングショーNHKクローズアップ現代+など 8割以上の方が相場に近い価格で売却に成功|売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数|くわしい経歴→富永順三のプロフィール
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富永順三出演 〇〇番組キャプチャ
富永順三出演 テレビ朝日モーニングショー2021年9月24日放送インタビュー画像

1.役職定年後に住宅ローンを払えない時のリスク

住宅ローンの返済が滞り始めた場合、最初は督促の連絡が来る程度かもしれませんが、時間が経過するにつれて、状況は深刻化していきます。

① 自宅を差し押さえ・競売にかけられる

住宅ローンが払えなくなると、最悪の場合、自宅が競売で売られてしまいます

家には、ローンを貸した銀行が「抵当権」という権利を設定しています。もし返済を滞納し、催促にも応じない状態が続くと、銀行は裁判所に「競売開始」の申し立てをします。これにより、あなたの家は差し押さえとなり、最終的に強制的に売却されてしまうのです。

競売のデメリットは、売却価格が市場価格よりかなり安くなることです。一般的に、相場より3割程度低い価格で売却される傾向があります。例えば、市場で3,000万円の価値がある家でも、競売では2,100万円程度の低い価格で落札される可能性があります。家を失うだけでなく、残る借金(残債)も多くなってしまうリスクがあるのです。

② 返済遅延として信用情報に傷がつく

住宅ローンの返済を遅延すると、その事実は個人の信用情報機関に記録されます。これが俗にいう「ブラックリストに載る」状態です。一般的には、返済期日から2ヶ月〜3ヶ月以上の延滞が続くと、この事故情報が登録されることが多いです。

信用情報に傷がつくと、その後約5年間は新たな借り入れ(自動車ローン、教育ローン、クレジットカードの新規作成など)が非常に難しくなります。定年後の予期せぬ大きな支出に備えるうえで、資金調達の手段を失うことは大きな痛手となります。

③ 連帯保証人に迷惑がかかる

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関は連帯保証人に対しても残債の一括返済を請求します。連帯保証人には、ご本人と同等の返済義務がありますから、返済ができない場合は連帯保証人の財産(自宅や貯蓄など)が差し押さえの対象となるリスクも生じます。連帯保証人に迷惑をかける事態は、なんとしても避けたいところです。

2.住宅ローン返済が厳しい時の対処法

① 家計を整理し、お金の流れを把握する

まずは、現在の収入と支出を正確に把握するため、役職定年後の収入額、毎月の住宅ローン返済額、そして食費や光熱費、保険料など、すべての支出をリストアップします。いまの現金の流れを把握することで、どこに無駄があり、どの程度の資金が不足しているのかが明確になります。

② 返済スケジュールや金利条件を見直す

金融機関に相談し、返済条件の変更(リスケジュール)を依頼することも有効です。主な変更の例としては、以下のようなものがあります。

  • 返済期間の延長: 毎月の返済額を減らすことができますが、総返済額は増えます。
  • 一時的な元金据え置き: 一定期間、利息のみの返済とし、毎月の負担を大幅に減らせます。ただし、据え置き期間が終了すると、元金の返済が再開されます。

例えば、毎月15万円の返済をしていたところを、リスケジュールにより10万円に減額できれば、月々5万円のゆとりができます。ただし、金融機関は審査を行いますので、現在の資産状況や返済計画を正直に伝えてください。

③ 借り換えを検討する

現在の金利よりも低い金利の住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済額を減らせます。例えば、ローン残高が2,000万円、残期間が15年、金利が2.5%の場合の毎月返済額は約133,400円です。これを金利1.5%に借り換えられたとすると、毎月返済額は約123,500円となり、月々約1万円、年間で約12万円の負担軽減につながります。ただし、借り換えには諸費用(保証料、事務手数料など)がかかること、また信用情報に問題があると審査に通らないこともあります。

3.役職定年後に住宅ローン返済を続ける具体的な方法

① 副業で稼ぐ

仕事しながらできる副業としてよく選ばれるのが、警備員施設清掃の仕事です。日給8,000円~1万円程度の仕事が多く、週末どちらか1日だけでも月4万円ほどの収入増になります。また、都合の良い時間だけ働ける配達代行(フードデリバリー)も人気です。需要の高い時間帯だけ稼働しても、月数万円から10万円程度を稼げます。

また、最近注目されているのが、生成AIを活用したWebライティングという副業です。これは、AIを情報収集や文章構成の補助として使いながら記事を執筆するもので、特別なスキルがない方でも始めやすいです。1記事あたり8,000円以上、文字単価1円以上の案件も多く見つけられます。

この副業の大きな魅力は、在宅で完結できるため通勤の必要がなく、週末や平日の夜などのスキマ時間を効率よく使えることです。慣れれば1日1本ペースで記事を納品できるようになり、収入を増やせます。また、単に文章を書くだけでなく、AIを使いこなすスキルも向上するので、文字単価も上がっていく傾向があります。これは、年齢を重ねてからでも身につけられる「手に職」を持つことにつながり、将来的な収入安定にも繋がる副業です。

② 年金の繰上げ受給を選択肢に入れる

公的年金は原則65歳からの受給開始ですが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給できます。ただし、繰り上げた期間に応じて年金の受給額は生涯にわたって減額されます。例えば、60歳から繰り上げ受給をすると、本来の年金受給額から約30%減額されます。この減額率と、住宅ローン返済の緊急性を天秤にかけて慎重に判断する必要があります。

③ 退職金の前倒し受給制度を確認する

お勤めの会社によっては、退職金を役職定年などのタイミングで一部前倒しで受け取れる制度がある場合があります。一時金としてまとまった資金を得ることで、ローンの元本の一部を繰り上げ返済し、将来の利息負担を軽減することができます。まずは会社の退職金規程を確認してみましょう。

4.支出を見直して住宅ローンを返済する

即効性があり、自分の意思でコントロールしやすいのが支出の見直しです。

① 食費など生活費の節約

毎日の食費や日用品費といった「変動費」は、少しの意識で大きな節約効果を生みます。例えば、毎日1,000円使っていた昼食代を、自作のお弁当にすることで500円に抑えられた場合、月間で約1万円、年間で12万円の返済原資を捻出できます。

② 通信費・保険料など固定費を削減

毎月必ず発生する「固定費」は、一度見直せば継続的に効果が出ます。特に通信費(スマホ料金、インターネット回線)や、生命保険・医療保険は、現在の生活状況に合わせて必要以上に手厚くなっていないか確認すべきです。例えば、携帯電話のプランを見直し、毎月8,000円から3,000円に下げられれば、それだけで月5,000円、年間6万円の節約になります。

③ 趣味や娯楽などの調整

旅行や外食、高価な趣味の費用など、ご自身の判断で減らせる支出も見直しましょう。無理な我慢は長続きしませんが、ローンの状況が安定するまでの間、一時的に支出を抑えることで、返済への確実な道筋をつけることができます。

5.返済が難しくなったら専門家に相談する

ご自身でできる対策をしても住宅ローンの返済ができない、あるいは金融機関からの督促が始まっている場合は、専門家にご相談ください。特に、任意売却という選択肢は、競売を回避するための有効な手段となります。

私たち「任意売却119番」は、住宅ローン問題と任意売却のプロフェッショナルです。金融機関との交渉から売却の手続き、売却後の生活再建までサポートしますので、お気軽にご相談ください。

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