任意売却は自己破産する前がおすすめ!3つのメリットを紹介
自己破産を検討している方の中には、「自己破産をするのであれば、競売により売却されてしまうので任意売却をする意味がない」と考えている人もいると思います。
実際に、私たちの元へ相談にくる方の中にも、最初は、「このまま競売にかけられた状態で自己破産をした方が楽だと思う。」といった考えの方が多くいました。
確かに、そのような考えは、ある意味では間違いではありません。
なぜなら、自己破産をする場合、不動産を所有し続けることができないため、「自宅が人手に渡ってしまう」という意味では、任意売却も競売も違いがないからです。
しかし、だからと言って任意売却をする意味がないわけではありません。
では、自己破産をする予定の方が、任意売却を行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
自己破産も任意売却もケースバイケースなので、「この状況の時は、必ずこうすれば良い」と断言することはできません。
しかし、任意売却を行うことで、あなたにとって有利に自己破産の手続きを進められるケースもあります。
そこで、この記事では、「自己破産をする前に任意売却をする3つのメリット」について詳しく解説をしていきます。
自己破産を検討しているあなたは、最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。
- この記事の監修者
- 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
- 大手企業、経営コンサルタント、阪神大震災復興支援NPО、経済振興財団、企業再生・М&A会社等を経て現職。中小零細の事業支援実績が認められ04年に中川大臣(故)より”経済産業大臣賞”を受賞。
自己破産とは?メリットとデメリット
自己破産とは、分かりやすく説明すると、借金を返済不能になった場合に、裁判所の許可を得て、あなたが抱える全ての借金をゼロにできる制度のことです。
自己破産をすることで、返済に悩まされることがなく、今後の生活の再建を図ることが可能となります。
こうやって述べると、メリットが大きいように感じると思います。
しかし、メリットがある分、デメリットもあります。
そこで、ここでは、自己破産をすることによってあなたにもたらすメリットとデメリットについて、注意点も含めて詳しく解説をしていきます。
最後まで読んで、自己破産を検討する際にお役立てください。
自己破産のメリット
上記でも述べましたが、自己破産をする最大の魅力は、「人生を再スタート」できることだと思います。
多額の借金を滞納したままでいると、利息や違約金などにより、どんどん借金が膨らみます。
最悪の場合、一括返済を要求されたり、執拗な取り立てに毎日不安と恐怖を感じることも珍しくありません。
このような事態になると、あなた自身で解決することはほぼ不可能です。
ですが、自己破産をすることで、全ての借金の支払い義務がなくなり、執拗な督促がくることはなくなります。
そのため、精神的な負担から解放され、自己破産後の生活を円満にスタートすることができるのは、あなたにとって非常にメリットが大きいと言えます。
自己破産のデメリット
反対に、デメリットは、「連帯保証人に迷惑がかかること」が挙げられます。
なぜなら、自己破産は、申告した個人だけが対象となる手続きです。
つまり、連帯保証人を設定している借金を自己破産によって免責(返済義務を無くすこと)しても、返済義務から解放されるのはあなただけなのです。
当然、あなたに返済義務がなくなれば、債権者は連帯保証人に返済を要求します。
ですから、あなたの一存だけで決めるのはトラブルの元です。
必ず、連帯保証人と話し合いのうえ、自己破産をするようにしてください。
自己破産する予定の方が任意売却するメリット
自己破産をする前と後、どちらのタイミングで任意売却をした方が良いのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から言うと、「自己破産をする前」に任意売却をすることを強くオススメします。
なぜなら、自己破産後にするよりも有利な条件が多いからです。
ここでは、その有利な条件について詳しく解説をしていきます。
これから自己破産をしようと考えているあなたは、最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。
自己破産にかかる費用が安くなる
自己破産をする前に、不動産(自宅)を売却しておいた方が良いという話を聞いたことがありませんか?
そのように言われる理由は、自己破産の手続きが関係しています。
自己破産には、「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。
破産する人に資産がある場合は「管財事件」、ない場合は「同時廃止」に分けられます。
同時廃止 … 手続きが早い。費用が3万程度と安い。
管財事件 … 手続に時間がかかる。最低50万円の予納金(管財人費用)がかかる上、代理人(弁護士)への費用も別途必要。
財産(この場合はご自宅)を持っている方が破産する時は、原則として管財事件が適応されます。
しかし、経済的に困っている状況の方にとって、50万円以上もの費用を用意することは並大抵ではありません。
そのため、自宅を売却し、資産がない状態にしてから自己破産をするほうが良いと言われるのはこのためです。
※但し、状況によっては、住宅を持ったまま自己破産する方が有利な場合もあります。詳しくはご相談ください。
※同時廃止・管財事件のほかに「少額管財事件」というものもありますが、ここでは詳しい説明を省略いたします。
引越しの時期を相談できる
買主の方と相談して、ご自宅の引渡しの時期をある程度調整することができます。
例えば、以下の理由などにより、引き渡し時期の交渉を行うことが可能です。
- 子供の学期末までは住み続けたい
- 引越し先が見つかるまで待って欲しい
これに対し、競売になった場合は、希望を聞いてもらうことはできません。
原則、あなたの意見や都合は考慮されないため、裁判所からの明け渡し命令で即時退去を求められるケースもあります。
周囲に事情を知られずに自宅を売却できる
競売にかけられた場合、その情報は裁判所の公報に載り、たくさんの不動産業者がご自宅を下見に来ます。
見るからに業者とわかる人達が近所で聞き込みなどを行うので、あなたの家が競売にかけられていることはあっという間に近所に知れ渡ってしまいます。
そのため、立ち退きまでの数カ月間、ご本人はもちろん、ご家族が好奇の目にさらされ肩身の狭い思いをすることになります。
これに対し、任意売却の場合は、見た目には通常の売却と何ら変わりはありません。
ご近所の目には、普通の引越に見えるため、引き渡しまでの期間、周りの目を気にせずに過ごすことが可能です。
任意売却で自己破産をまぬがれられるケースもある
住宅ローンの返済不能になると、自己破産しか選択の余地がないと考える方が多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。
自己破産をすることはデメリットも大きく、可能であれば回避したいと思うのが自然です。
そこで、「任意売却」を行うことは自己破産を回避するために有効になります。
任意売却の制度を利用すれば、住宅ローンの残債を減らすことができることに加え、売却後の返済も無理なく返せるようになるので、自己破産をする必要がなくなるのです。
しかし、全てのケースに当てはまるわけではありません。
もちろん、状況によっては回避できないケースもあります。
もし、自己破産を検討しているのであれば、任意売却で解決できる可能性があるので一度当社までご相談ください。
任意売却する前に自己破産した場合のデメリット
ここからは、任意売却する前に自己破産を選択した場合のデメリットについて解説していきましょう。
連帯保証人に迷惑がかかる
先ほども述べましたが、自己破産すると、保証人に必ず迷惑がかかります。
一般的に、連帯保証人をお願いしている人は、配偶者や両親、親しい知人だと思います。
もし、あなたが、自己破産し免責を受ければ、破産したあなたはすべての借入の返済を免れられますが、代わりに保証人が債務(借入)を返済しなければなりません。
しかも、この場合、連帯保証人には一括返済の請求がなされることになります。
そのため、連帯保証人の方も支払不能となることがほとんどで、その方まで自己破産しなければならなくなる場合もあります。
このため、任意売却119番では、お借り入れが住宅ローンのみの方には、原則として自己破産をお勧めしておりません。
多重債務の方でも、債務を圧縮して無理のない範囲で返済を続けることはできないかどうかなど、あらゆる可能性を検討し、ご提案します。
任意売却をした場合でも、連帯保証人の方のご負担を100%回避できるわけではありませんが、事前に話し合って、できるだけご負担のかからないようとりはからうことができます。
自己破産に時間がかかる
上に上記で述べた通り、財産を持ったまま自己破産する「管財事件」の場合、「同時廃止」に比べて、手続きに時間がかかります。
自己破産を申請してから手続きが終わるまでに少なくとも1年以上かかるのが普通です。
一方同時廃止の場合、申立をしてから3か月程度で手続きが終了し、およそ半年程度で免責の決定がなされます。
自己破産をすることは、精神的負担が大きく、可能な限り早く終わらせたいと考えているはずです。
このように、自宅を売却するだけで、期間を半年以上も削減できるのは、あなたにとって非常にメリットが大きいのではないでしょうか?
そのため時間の面を考慮しても、自己破産の前に任意売却をしておく方が有利だと思います。
自己破産手続きの途中でも任意売却は可能です
先ほど、自己破産をする前に任意売却をすることをオススメしましたが、現在、自己破産の手続きを進めていても、任意売却をすることは可能です。
では、なぜ先に行うことをオススメしたのか疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それは、自己破産をおこなううえで、任意売却をするには、タイミングが重要だからです。
タイミングが早ければ早いほど、あなたに与えるメリットは多くなります。
ですが、任意売却を選択することで、可能な限り恩恵を受けられる可能性があります。
それには、債権者や裁判所、弁護士との交渉が非常に重要です。
手続きの途中に任意売却を行うのを嫌がる弁護士が多く、合意を得るためには、相応の経験や専門知識を保有した相談員の交渉力が鍵となります。
もし、自己破産の手続きをしてしまったけど、任意売却を希望しているのであれば、任意売却119番までご相談ください。
当社では、こういったケースのご相談をいくつも解決してきたので、あなたの希望を叶えるために、最大限のサポートをすることができます。