2025/10/24(公開: 2019/10/30)
滞納4か月の住宅ローンを任意売却と自己破産で整理した立川市の事例
「住宅ローンを滞納したら、もう競売しかない」と思い込んでいる方は少なくありません。
しかし、実際には任意売却という方法で、競売を回避しつつ、残債を大幅に軽減できるケースがあります。
今回ご紹介するのは、東京都立川市で住宅ローンを4か月滞納し、任意売却と自己破産によって再出発されたN様ご夫婦の事例です。
なお、任意売却の全体像を知りたい方は、「任意売却とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。

- この記事の監修者
- 富永 順三 任意売却119番・代表コンサルタント
- ・年間相談件数3,000~5,000件
- ・8割以上の方が相場に近い価格で売却に成功
- ・売却後の残りの返済額:月10,000円前後の方が多数
- ・くわしい経歴→「競売体験者」だからわかります
滞納4か月の住宅ローンを任意売却と自己破産で整理した立川市の事例

N様(50歳・会社員/子2人)
- 所在地:東京都立川市
- 家の形態:マンション
- 住宅ローン残高:3,900万円
- 査定時価レンジ:3,600~3,700万円
「子どもが小学校に入学したタイミングで家を買いました。
当時は年収720万円で、4,400万円のローンも無理なく返せると思っていました。」
しかし、購入後は光熱費や車の維持費、子どもの習い事・私立進学などが重なり、家計は慢性的な赤字状態に。
家族を支えるために妻もパートを始めましたが、やがてクレジットカード払いが生活の中心となっていきました。
そして購入から12年後の冬。ボーナスの減額により、ボーナス払いが滞り、住宅ローンの延滞が始まりました。
解決にあたって重視したこと
- 競売回避とスピード優先の販売戦略
- 残債処理と債務整理の一体的対応
任意売却による解決の流れ
N様の住宅ローンはすでに4か月滞納の状態で、保証会社による代位弁済が目前に迫っていました。
任意売却119番の担当コンサルタントは都市銀行の保証会社に任意売却を提案し、売却活動を即開始。
売却代金の内訳は以下のとおりです。
- 成約価格:3,680万円
- 仲介手数料:約128万円(3%+6万円+消費税10%)
- 登記費用・司法書士報酬:10万円
- 滞納管理費・修繕積立金:10万円
- 引越費用:20万円
- 債権者への送金額:3,522万円前後
- 住宅ローン残高:3,900万円
- 残債:約388万円
サービサーに債権譲渡後の交渉で160万円を免除。
残る約228万円については、当初月1万円×84回(7年)の分割合意を結びました。
しかし、住宅ローン以外にもクレジットカードや消費者金融の返済などを含めた債務総額が1,000万円を超えていたため、最終的に自己破産を申立て、免責が確定。
分割返済は途中で打ち切られました。
売却活動の進め方
立川駅徒歩圏という立地の良さから、複数の内見希望が入り、公開から約1か月で買主が決定。
「教育費が多くても、家だけは守りたかった」というN様の希望を尊重し、価格交渉よりもスピード重視で契約を進めました。
結果、金融機関への報告・残債処理・買主との引渡しをすべて3か月以内に完了しました。
任意売却を終えたN様のご感想

住宅ローンが払えなくなると、もう競売になって、家から叩き出されるしかない、と思っていました。
妻が法律事務所に勤める義兄に相談し、彼から「任意売却という仕組みがあるよ。」と教えてもらったのが相談のきっかけです。
売却はスムーズだったと思います。住宅ローンの残債務は、その他債務とまとめると1000万以上あったので債務整理しました。
もともと住宅ローンの滞納でブラックリスト(信用情報に延滞記録がついていること)になっているので、義兄の勧めもあり、自己破産となりました。
下の子の学費だけが気がかりでしたが、妻が上の子が大学生になった時にフルタイムの派遣社員となっていたので、彼女側で教育ローンを借りることができました。
家の購入や教育は家族のために選んだことですが、お金のことについては、もっとよく考え、話し合っておけばよかったのかもしれない、という後悔はあります。
関連記事:任意売却するとブラックリストに載る?信用情報への影響をプロが解説
担当コンサルタントの所感

今回のN様は、教育費・カード債務・住宅ローンの三重苦で返済が行き詰まった典型例でした。
競売申立て前にご相談いただけたため、任意売却で相場に近い価格を確保しつつ競売を回避。
その後は、他債務も含め総額が1,000万円を超えていたため自己破産を選択し、免責確定により再出発へ進みました。
任意売却後の自己破産に関するQ&A
- Q. 「どうせ自己破産なら、競売でも同じでは?」
- A. 金銭的な最終結果(免責)は同じでも、任意売却は手続きがスムーズで、引越時期の調整・引越費用の確保・周囲に知られにくい等の実利があります。弁護士・債権者との調整も合理的に進みます。
- Q. 「自己破産すれば残債の多い少ないは関係ない?」
- A. 免責後はゼロですが、任意売却を経ておくと管財人対応・書類量・面談負担が軽くなるため、実務上は本人の負担が確実に減ります。
- Q. 「弁護士費用も破産でチャラになる?」
- A. いいえ。弁護士費用や申立費用は破産前に支払う必要があり免除されません。競売が進行すると対応が複雑化するため費用増・期間延長のリスクがあります。
- Q. 「いつ相談すべき?」
- A. 滞納3か月以内が目安。代位弁済や競売申立て前なら選択肢が広く、スピード優先の販売戦略で高値成約・円滑決済に繋げやすくなります。
任意売却の成功可否は早期相談が結果を左右

取材実績:テレビ朝日スーパーJチャンネルで当社の任意売却支援が紹介
住宅ローンを滞納しても、すぐに競売になるわけではありません。
しかし、放置すれば「代位弁済」や「差押え登記」などが進み、確実に選択肢が狭まります。
任意売却は、早く動くほど選択肢が多く、残債も減らせる手続きです。
「もうダメかも」と感じたときこそ、一度ご相談ください。
関連記事
任意売却について知りたい方へ
任意売却の事例
LINE相談
メール相談
資料請求フォーム


