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こころの病と任意売却

うつ病で休職し、収入が激減。任意売却するほかありません。

近年、うつ病をはじめとする「こころの病」は身近なものである、という認識は浸透してきました。心身に不調をきたすと、それまで通りの生活や仕事は困難となりがちです。入院には至らないものの、治療を受けている人、無理を重ねながらこれまで通りの生活を維持しようと頑張る方の相談を多く受けます。

しかし、無理をしても長くは続かないものです。そんななかで抱えている住宅ローンをどのようにすればいいのでしょうか?

生活費には、食費をはじめ住居費や光熱費など、生きているだけでどうしてもかかるコストがあります。こと住宅ローンは、いったん契約してしまうと、完済するまでずっと同じペースで支払うことから、圧縮は原則できません。

住宅ローンは数十年続きます。長い借入期間中、全く平穏無事なケースはそれこそ稀です。少なからず病気やケガ、家族の事情、勤務先の変化、突発的な事情の発生などにより、収支や生活が変動しています。

そんな変化のうち、うつ病などに代表される精神的な不調の発症をきっかけに、住宅ローンが払えなくなるケースも頻発しています。特に、一家の大黒柱であるご主人がうつ病などで思うように働くことができない、と奥様や周囲の方からの任意売却相談も増えています。

ケース1:夫が鬱病にかかって職場を退職。ローンが払えない。

Yさん 40代夫婦 夫正社員 妻パートタイム 小学生の子2人

物件は千葉市のマンション 購入して4年目。

奥様より:夫の実家の隣市に転勤になった際、マンションを購入しました。夫は異動先で昇進したものの、パワハラに遭い、部下とも折り合いが悪くて。本人は無理を押して仕事をしていたものの、次第にふさぎこむようになり、げっそりと痩せてしまって。ドクターストップがかかり、仕方なく休職したのですが、復帰のメドは立ちません。

多額の住宅ローンをどうしたらいいか悩んでしまって。銀行へ相談に行って、1年間だけ元本据え置きで利払いのみをすることにしたのですが、当然その期間後は支払い額が以前より少し上がってしまいました。それでも夫は職場復帰の見込みはありません。預貯金も底を尽いてしまい、これからどうなるのか怖くて怖くて。私まで病んでしまいそうでした。

<任意売却担当者より>

マンションは新築で買って4年目。購入時に頭金を1割入れていたものの、残債は大きく残ったままでした。今の家計について確認したところ、ご主人が明日にでも職場へ完全復帰しない限り、ローンの維持は到底無理でした。翌月のローンから支払いができなくなり、滞納4か月目で保証会社に管理が移り、任意売却を申し出ました。

売出し後すぐに購入希望者が現れたものの、価格面で債権者と折り合わなかったり、買主のローン審査が通らなかったり、と”競売申立て猶予期間内に売れるかな?”と不安でしたが、3人目の購入希望者で無事、任意売却が成立しました。

<任意売却を終えて>奥様より

うつ病で休職していても、傷病手当金が受給できるのはありがたいのですが、収入は大幅に減ってしまいます。任意売却をして、ローン支払いやマンションの管理費などの大きな支出がなくなった点について、夫としては気がかりが減ったようです。今は職場の配置転換をしてもらい、無理のない範囲で仕事をしています。

参考:リスケジュールは一度きり

住宅ローンが払えない場合、まずはリスケジュール(リスケ)といって、貸し手(債権者)に支払い計画の見直しを要請します。リスケには種類があり、”一定期間、利払いのみをする(期間後、支払額が上がることが多い)”または、”返済期間を延長し、月々の支払額を下げる”ものがあります。一度に両方を行うこともあります。

リスケに応じた時点で、貸し手はこのローンを”要注意債権”とみなします。破綻懸念のあるローンである、と判断するのです。そのため、何度でもリスケができるわけではなく、原則1回限りの対応です(2回目が全くない、という意味ではありません)。

なお、リスケをした際に連帯保証人を求められることがありますが、慎重に判断することが大切です。リスケをした方の多くが結局、ローン破綻をし、連帯保証人に迷惑を掛けてしまっているからです。また、完済年齢が上がることで、その時期によっては契約者の死亡など保険適用の事由が発生しても、団信(団体信用生命保険=主債務者が死亡などした際、保険金でローン残金が完済されるもの)の適用外になる場合があるので、注意しましょう。

住宅ローンが行き詰りそうな時は、早めに金融機関に相談しましょう。金融機関にとっても、住宅ローンの返済を払ってもらえないことで、物件を競売にかけるのは損失です。なお、リスケには審査があり、それが通らない場合は、ローンをこれまで通り払うか、売却を覚悟することになります。

ケース2:ペアローンを組む妻が育児ノイローゼで退職

Mさん 30代夫婦 夫婦とも正社員 子2人

さいたま市 一戸建て

夫より:妻はいわゆるバリキャリ(バリバリのキャリアウーマン)で、最初の子どもの出産後も仕事のペースをあまり落とすことなく働いていました。二人目が産まれてからです、歯車が狂い始めたのは。一人目の子に比べて、下の子は手がかかるようでした。妻は産休明けを経て職場復帰したものの、仕事も育児にも行き詰っている様子で。当たり前ですが、私もできるだけのことはしたつもりですし、双方の実家にも助けを頼んで乗り切ろうとしました。しかし、妻の様子が明らかにおかしく、妻の上司から連絡を受けて精神科に連れて行きました。結果、統合失調症との診断でした。結局、妻は退職を選んだのです。

妻子の世話や看護は実家に甘えることができたのですが、問題はペアで組んだ住宅ローン。私の収入だけでは払いきることはできません。

<任意売却担当者より>

奥様のほうがご主人より収入が高いこともあり、ご夫婦で大きなローンを組んでいました。奥様は体調にムラがあるものの、現実はしっかりと受け止めていました。面談の結果、いずれにしても、奥様の収入がないことにはローン破綻は避けられず、任意売却を進めることになりました。ご夫婦が気になさっていたお子さんへの影響ですが、滞納による信用情報の延滞記録(いわゆるブラックリスト化)は当人(ご夫婦・ペアローンは連帯債務者であるため)のみです。

自宅は築5年目ながら新築とほとんど変わらない状態で、売り出してまもなく金融機関の示した条件での売却が整いました。

<任意売却を終えて>ご夫婦より

私(夫)は、自宅購入資金の一部を社内融資で借りていたことから債務整理はせず、会社への返済はこれまで通りとし、住宅ローンの残債務は少額ずつ支払いをしていくことになりました。妻は友人の弁護士を通じて自己破産を申請しました。将来、子どもの教育資金が必要なので、自分の借金はゼロにしておきたかったようです。妻は専門職なので、再就職には困らないと思いますし、元の職場も復帰を望んでいるようなので、焦らずに回復してくれれば、と思います。

ケース3:兄が自殺未遂。離婚して孤立していた。

妹Aさん 40代、兄Fさん 50代

妹Aさんより:少し歳の離れた兄は、もともと感情を表したり、人を頼ることをしない人です。両親が他界してからは、必要がない限り、連絡をほとんど取り合っていませんでした。お互い家庭があるので、安心していたんです。ある日、警察から連絡が入り、兄が自殺を図って保護され、入院している、と言われて。義姉からの連絡でないことが疑問でしたが、病院に駆けつけると兄は私の知らない間に、心身ともにひどい状態になっていました。

義姉は兄に一方的に離婚を申し渡したうえ、兄の家からほぼ無一文で追い出されたようです。兄は賃貸を借りながら、住宅ローンも払っていたので、食うや食わずの生活をしていたようです。結局、精神的に参ってしまい、失職。住宅ローンが払えないので、思い詰めて命で払おう(団体信用生命保険)としたようです。

<任意売却担当者より>

お兄様の物件には元妻が住んでおり、最初は退去はもちろん、ローンを負担するつもりもない、との返事でした。しかし、ローンが滞っている以上、いずれは退去せざるを得ません。Aさんがお兄さん名で繰り返し内容証明を送ったこと、債権者によって物件が差し押さえられ、競売開始決定通知が送られてきたことで、元妻は不承不承退去しました。

任意売却をするには時間的にはかなり厳しかったのですが、任意売却が成立。競売は取り下げてもらうことができました。

<任意売却を終えて>ご兄妹より

Aさん:「義姉には言いたいことがたくさんありますが、兄が無事だったことがせめてもの救いです。任意売却では、義姉へ連絡する際の注意点などを教えてもらい、助かりました。」

Fさん:「いろいろな人に迷惑をかけてしまいました。当時は余裕がなくて。誰かに相談する、という発想などありませんでした。当面はリハビリが必要で、生活保護を受けることになりそうです。」

Fさんの残債務は債権者との交渉の結果、長期入院中で収入が全くないこと、生活保護を受ける予定であることから、債権者は当面静観とするようです。表立った請求や連絡は受けていない、とのお話です。

まとめ

こころの病は、早期の完治が難しいことが多いものです。特に住宅ローンを抱えたままだと、不安は健康だけではなく、生活や将来にも及びます。できるだけ家族など、周囲のサポートを得ながら、早めに対応をしていくことが重要です。

任意売却119番