不動産一括査定のおすすめランキング7選|高く売るコツや注意点も解説


不動産を売却したい場合、「できるだけ高く買ってくれる不動産会社を見つけたい」と考えることは多いでしょう。しかし、全国に不動産会社は2,000社以上あり、一つ一つ調べて査定に出すのは非常に面倒であり、査定額を比較するのにも時間がかかってしまいます。
そこでおすすめなのが、『不動産一括査定サービス』を利用することです。これを活用すれば、自分の目的や目標に合った不動産会社を楽に見つけることができます。
この記事を読めば、そんな不動産一括査定サービスのメリット・デメリット、利用方法まで知ることができるでしょう。おすすめサイトも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
不動産一括査定サイトのおすすめランキング7選
まずは、おすすめの不動産一括査定サイトをランキング形式で紹介していきます。
先に特徴を早見表でまとめ、その後に各不動産会社の個別解説という流れにしています。早見表にも特徴を簡単に記載していますので、どんな会社かイメージしやすいでしょう。
早見表の対応物件欄に関しては、「一戸建て/マンション/土地」のみを記載しています。実際は投資用不動産や、工場・倉庫などにも対応しているサイトもありますが、それに関しては各サイトの項目にて詳しく記載しています。
サイト名 | 提携業者数 | 同時依頼社数 | 対応エリア | 対応物件 | 訪問査定 | 机上査定 | 匿名査定 | 特徴 |
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SUUMO | 2,000社以上 | 10社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | × | ・圧倒的な知名度と信頼性がある不動産会社 ・提携業者数が2,000社以上と業界トップクラス ・スーモカウンターで対面相談も可能 |
すまいValue | 6社 | 6社 | 全国(地方は非対応) | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | × | ・提携しているのは大手不動産6社のみ ・2023年度の成約件数11万件以上の実績 ・都会の不動産なら非常におすすめ |
イエウール | 2,600社以上 | 6社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | 〇 | ・提携している不動産会社が2,600社以上と豊富 ・近隣の売却事例なども確認できる ・AIの査定シミュレーターによる「匿名査定」 |
HOME4U | 約2,500社 | 6社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | × | ・日本で初めての不動産一括査定サイト ・提携している不動産会社も2,500社と多い ・パトロールにて悪質な不動産会社は排除 |
すまいステップ | 1,000社以上 | 4社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | 〇 | ・年間利用者数200万人を突破 ・最短1ヶ月以内でのスピード成約も可能 ・「不動産匿名査定シミュレーション」がある |
リビンマッチ | 2,100社以上 | 6社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
△ 選択不可 |
△ 選択不可 |
× | ・18年の運営実績と年間240,000件の査定実績 ・査定可能な物件の種類が豊富 ・個人情報漏洩リスクが低い万全のセキュリティ |
LIFULL HOME’S | 4,200社以上 | 10社 | 全国 | ・一戸建て ・マンション ・土地 |
〇 | 〇 | × | ・全国4,200社の不動産会社と提携している ・収益物件に強い不動産も多く集まっている ・不動産会社の詳細情報を確認した上で依頼可能 |
SUUMO
運営会社 | 株式会社リクルート |
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対応エリア | 全国 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地 |
提携業者数 | 2,000社以上 |
同時依頼社数 | 10社 |
SUUMO(スーモ)は、株式会社リクルートが運営している不動産のポータルサイトです。不動産業界の中では圧倒的な知名度と人気を誇り、物件探しをするなら一度は見たことがあるサイトと言えるでしょう。
SUUMOの不動産一括査定サービスは、売却を考えている物件の情報を一度入力するだけで、最大10社の不動産会社に無料で査定依頼ができる便利な仕組みです。大手から地域密着型まで、信頼性の高い不動産会社を比較しながら、自分に合った提案を見つけることができます。
サービスの利用は完全無料で、査定結果を見たうえで売却するかどうかをじっくり検討できるため、初めての方でも安心して利用できます。また、スマートフォンからも手軽に申し込みができ、外出先や空いた時間に活用できるのも魅力のひとつ。
さらに、周辺エリアの相場情報や過去の売却事例なども確認できるため、相場感をつかんだうえで納得のいく売却判断につなげることができます。信頼できる不動産会社に出会い、スムーズな売却を目指したい方にとって心強いサポートとなるでしょう。
すまいValue
運営会社 | すまいValue事務局 |
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対応エリア | 北海道・宮城・東京・埼玉・神奈川・千葉・茨城 愛知・岐阜・三重・大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良 和歌山・岡山・広島・福岡・佐賀 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地 マンション一棟/アパート一棟/ビル一棟 |
提携業者数 | 6社 |
同時依頼社数 | 6社 |
すまいValueは、大手不動産会社6社によって運営されている一括査定サービスです。提携業者は三井のリハウス・東急リバブル・三菱地所すまいリレー・住友不動産販売・小田急不動産・野村の仲介+となっており、圧倒的な知名度と信頼性がある不動産のみで査定してもらえます。
強力な販売ネットワークを築いていますので、2023年度の成約件数は11万件以上にも上ります。これまでのノウハウも駆使した交渉力で、売却依頼した方の約75.1%が3ヶ月以内に売却しています。
成約完了までの平均期間も2.4ヶ月ですので、すぐにでも売りたい方におすすめと言えるでしょう。
適切な査定結果で比較できるため、これまで大きなトラブルもほとんど起きていません。その証拠に、「安心安全に取引できた」と答えた割合は95.5%です。全国に841店舗ありますので、比較後は対面相談に移りやすいのも大手ならではの強みと言えるでしょう。
注意点としては、対応エリアが限られている点です。2025年4月時点では20都道府県のみ営業エリアとなっており、地方になると査定することができません。地域密着型の不動産に依頼したい方にとっては、少し使いにくいサイトと言えるでしょう。
イエウール
運営会社 | 株式会社Speee |
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対応エリア | 全国 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地 マンション一棟/アパート一棟/ビル一棟/区分マンション(収益)/区分所有ビル 店舗/事務所/倉庫/農地 |
提携業者数 | 2,600社以上 |
同時依頼社数 | 6社 |
イエウールは、株式会社Speee(東証スタンダード市場に上場)が運営している一括査定サイトです。全国47都道府県に対応しており、月間利用人数は3万3千人を突破しています。サイトも使いやすくレスポンスも早いと、口コミでも高い評価を集めていました。
提携業者は2,600社を突破しており、同時に6者まで査定依頼を出すことができます。地域密着型の不動産も選択肢に入れられるため、地方に住んでいる方でも安心して依頼してみましょう。AIの査定シミュレーターを使った匿名査定も採用していますよ。
提携業者数が多いと、「悪徳業者も含まれているのでは?」と不安になる方もいます。イエウールでは、そういった悪徳業者を稼働させないため、随時パトロールを行っています。契約解除はイエウールの方からできますので、優良な不動産会社しか残っていないので安心です。
不動産に関するコラムも書かれており、売却時の流れや契約方法についてはもちろんのこと、査定に使用される路線価など不動産業界にいないと分からない部分まで情報発信しています。こういった部分を知っておくことで、売却を有利に進めていくことができるでしょう。
HOME4U
運営会社 | 株式会社NTTデータ・ウィズ |
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対応エリア | 全国 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地 マンション一棟/アパート一棟/ビル一棟 店舗/事務所/倉庫 |
提携業者数 | 約2,500社 |
同時依頼社数 | 6社 |
HOME4Uは、株式会社NTTデータ・ウィズが運営している一括査定サービスです。日本で初めての一括査定サービスとして2001年から提供しており、20年以上も多くの方に利用されています。優れたセキュリティシステムを導入しているため、個人情報が流出する心配もいりません。
提携しているのは、厳選した約2,500社の優良不動産会社です。運営実績23年の中で培われたノウハウを活用し、大手企業だけでなく地域に強い中小企業まで取り扱っているのはHOME4Uならではの強みでしょう。同時依頼社数は最大6社となっており、最適な不動産会社を一覧で表示してくれますよ。
地方でも独自ネットワークを駆使し、地域特性に精通した不動産会社を紹介してくれます。「他社と比べて高額な不動産会社が見つかった!」「営業担当者が丁寧で最後まで気持ちよく取引できた!」という口コミも非常に多かったです。
不動産会社一括査定サービスの利用以外にも、賃貸経営や注文住宅に関して無料相談できるのもHOME4Uの特徴です。不動産に関する基礎知識から、失敗しないためのポイントを知ることができますね。そのため、不動産売却後の投資や新居購入を考えている方にもおすすめです。
すまいステップ
運営会社 | 株式会社Speee |
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対応エリア | 全国 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地/ビル一室 マンション一棟/アパート一棟/ビル一棟 店舗/事務所/倉庫 |
提携業者数 | 1,000社 |
同時依頼社数 | 4社 |
すまいステップは、イエウールと同じく株式会社Speeeが運営している一括査定サービスです。2020年にサービス開始した比較的新しいサイトですが、年間利用者200万人を突破するなど注目されているサービスとも言えるでしょう。
提携している業者数は1,000社以上と、他社と比較するとそこまで多くありません。しかし、独自の審査にクリアした質の高い不動産会社のみに絞られています。例えば、「売買仲介営業経験5年以上が担当する」や「ファイナンシャルプランナーの資格保持者が在籍している」といった感じですね。
不動産会社が決まれば、その不動産会社のエースに成約まで担当してもらえます。3ヶ月以内の成約率は約41.4%となっており、最短だと1ヶ月以内での成約も可能です。不動産売却は大きなお金が動きますが、すぐにでも話を進めたい方にとっては嬉しい強みと言えるでしょう。
リビンマッチ
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
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対応エリア | 全国 |
対応物件 | マンション/戸建て/土地 マンション一棟/アパート一棟/ビル一棟 投資マンション(1R・1K)/区分所有ビル/店舗付き戸建て物件 店舗/事務所/倉庫/農地 |
提携業者数 | 2,100社以上 |
同時依頼社数 | 6社 |
リビンマッチは、リビン・テクノロジーズ株式会社が運営している一括査定サービスです。約18年の運営実績に加え、査定依頼+資料請求件数が年間240,000件を突破しているなど高い信頼性があります。東証グロースに上場していることもあり、2,100社以上の不動産会社が信頼して提携しています。
取り扱い物件の種類が豊富で、投資用マンションから店舗付き戸建て物件まで査定の対象に選択できるのも強みです。サイトも使いやすいと好評で、資料請求や査定依頼は最短45秒で完了します。インターネットで完結するため、24時間いつでも査定依頼できますよ。
運営元であるリビン・テクノロジーズ株式会社はプライバシーマークを取得していますので、個人情報保護に力を入れていることが分かります。入力した個人情報をインターネット上に公開したり、査定依頼していない他社に流すこともありません。
さらに、「リビンマッチ不動産売却・リビンマッチ土地活用」を利用した場合、アンケート回答でギフト券のプレゼントも行っています。リノベーションやリースバックにも対応していますので、不動産一括査定サービス以外でも活用しやすいですよ。
LIFULL HOME’S
運営会社 | 株式会社LIFULL |
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対応エリア | 全国47都道府県 |
対応物件 | 一戸建て/土地/マンション 投資用(一棟物件)/投資用(区分所有)/倉庫・工場 |
提携業者数 | 4,533社 |
同時依頼社数 | 10社 |
LIFULL HOME’S(アイフルホームズ)は、株式会社LIFULLが運営している不動産会社です。SUUMOと同様に、不動産探しで使ったことがある方も多いでしょう。その信頼性は非常に高く、提携業者4,533社(2025年4月時点)は業界トップクラスの数を誇ります。
情報セキュリティマネジメントシステムにおける国際規格「ISO/IEC 2700」と、国内規格「JIS Q 27001」の認証を受けていることからも、個人情報の取り扱いに力を入れていることが分かります。ホームズ独自の厳格な審査がありますので、悪徳業者には厳しいペナルティが課せられるなど安全性も問題ありません。
提携業者数が多いと、依頼できる会社を表示してくれてもどこに査定を依頼するか迷うと思います。しかし、ホームズでは各不動産会社の詳細情報を確認することが可能です。店舗の内観・外観から設備、資格所有者の有無、会社ごとのPR情報など項目が多いのも嬉しいポイントですね。
もし不動産会社に個人情報を伝えたくない場合は、匿名査定を選ぶこともできます。簡単な物件情報とメールアドレスを入力するだけで、査定結果(概算価格)を知ることができます。ここから売却を相談したい会社を探せますので、おおよその売却価格を知りたい方にもおすすめの機能です。
不動産一括査定サイトを利用する際の流れ
ここからは実際に査定依頼をする流れについて解説していきます。
サイトによって多少の違いがあるため、あくまで一般的な流れとして知ってもらえればと思います。訪問査定以降の流れに関しては、査定結果が届いてから担当者に教えてもらいましょう。
①:物件情報・個人情報の入力
まずは、査定依頼フォームから物件情報・個人情報を入力します。物件情報は査定金額を算出するために必要な情報、個人情報は連絡するために必要な情報です。
【入力する情報】
・物件の所在地(都道府県・市区町村・番地・丁目など)
・物件の詳細情報(住所・間取り・土地の広さ・専有面積・築年数・現住所の確認など)
・個人情報(名前・電話番号・メールアドレスなど)
自分で入力するサイトもあれば、チャット形式で順序良く進めていくサイトもあります。
②:査定方法の選択
不動産の査定には、入力した情報をもとに査定する「机上査定」と、実際に物件を見てもらって正確な査定金額を算出してもらう「訪問査定」があります。
本格的に売却を考えている方は、この時点で訪問査定を選択するのもおすすめ。
③:査定依頼をする会社を選択
ここまで進むと、査定を依頼できる不動産会社が一覧で表示されます。その中から依頼したい会社を選択するのですが、相場の把握と比較のために最低3社は選択しましょう。
査定依頼自体は、ここで完了となります。作業時間は長くても5分ほどです。
④:不動産会社から依頼完了の連絡がくる
査定依頼が完了すると、各不動産会社から「査定依頼の完了+今後の流れ」についてのメールが届きます。
多くのケースで「担当者から改めて連絡します」と書かれていますので、査定が終われば入力した電話番号に電話がかかってくるでしょう。
メールの内容に個人情報の取り扱いに関してのURLなどが記載されていますので、できるだけ保存しておくことをおすすめします。早いところだと、このメールが届いてから数分以内に電話がくることもあるようです。
⑤:査定結果が届く
査定書の内容は会社によって異なりますが、「査定金額は〇〇円~〇〇円です。」とだけ記載されている会社はおすすめできません。
「査定金額は〇〇円くらいで、内訳は建物が〇〇円、土地が〇〇円でした。この金額になった根拠は~~~」のように、内訳や根拠が記載されている会社の方がおすすめです。
その後、査定書の原本やパンフレットが自宅に届くケースもあります。不動産売却の流れが詳しく記載されていたり、費用・税金に関する内容が記載されていることもあるようです。売却を担当してくれる方の名刺が入っていることもありますので、一度連絡して挨拶しておくと良いでしょう。
不動産売却に一括査定を利用するメリット・デメリット
不動産一括査定サイトは便利なサービスですが、メリットもあればデメリットもあります。ここからは、そんなメリット・デメリットについて簡単にまとめてみました。
デメリット
- 査定を依頼できる不動産会社は最大10社まで
- 個人情報を入力しないといけない
- 査定後の対応が少し面倒になることも
一括査定サイトでは、当該サービスに登録している不動産会社の一部(4~10社ほど)しか査定に出すことができません。
例えば、SUUMOであれば2000社以上の提携業者がいますが、2000社すべてに依頼をすることはできません。最大で10社までと決められています。
そして、査定に出すためには一定の個人情報を入力しなくてはいけません。悪用される可能性はほぼありませんが、それでも流出や漏洩の可能性は否定できません。近年、個人情報漏洩が多くなっていることもあるため、個人情報を入力するという点で嫌だと感じる方もいます。
一括査定した後は、入力した連絡先に不動産会社から連宅がきます。査定依頼した会社が多ければ多いほど、連絡の数も増えていくでしょう。それらすべてに対応しないといけないため、どうしても手間だと感じてしまうのです。
メリット
- インターネットで簡単に査定依頼ができる
- 同じ条件で査定に出すため査定結果を比較しやすい
- 価格相場を算出することができる
- 短時間で査定結果を知ることも可能
一括査定は、すべてインターネット上で完結します。住んでいるエリアや物件情報、個人情報を入力して一括査定依頼ボタンを押すだけです。不動産会社に直接行く必要もありませんし、査定結果もネットや電話で聞くことができます。難しい手順がないのも嬉しいポイントです。
そして、複数の会社に一括依頼できるため、比較がしやすいのも一括査定ならではの強みと言えるでしょう。「同じエリア、物件でも会社によってこんなにも査定額が違うの?」と感じることもあります。不動産会社の販売力が高ければ高いほど、目標金額に近付くことになるでしょう。
査定方法や査定完了までの時間は会社によって異なりますが、遅くとも3日以内には査定結果を聞くことができます。早い会社であれば依頼当日に連絡がくることも珍しくありません。10社依頼して当日に3社でも結果が返ってくれば、それだけで簡単な比較ができますよね。
複数の査定結果を比較することで、自分の土地や物件の相場を知れるのもメリットです。相場を知っておけば今後改めて一括査定した場合に、上がったか下がったかが分かるからです。売るタイミングを把握するためにも一括査定サイトは有効なのです。
不動産一括査定サイトを使うときの注意点
デメリットよりもメリットの方が多い一括査定サイトですが、それでもいくつか注意点はあります。
査定価格がそのまま売却価格になると限らない
査定はあくまで「予想される売却価格」であり、実際に売れる価格とは異なります。高い査定額を出してくる会社があっても、それが確実に売れる価格とは限らないので、複数社の査定を比較して現実的な価格感を見極めることが大切です。
一戸建ての「机上査定」は実際の住居を見てもらわずに査定するので、売却価格とは差が生まれやすいといえるでしょう。
逆にマンションであれば、同じマンションでの売却事例をもとに算出するため、机上査定であっても信頼できる結果が出やすいです。
地域によっては査定の対象外になることもある
大手不動産会社になると47都道府県すべての地域に対応していることも多いですが、地域密着型の不動産会社も存在しています。そのため、一括査定サイトを選ぶ際には「提携している不動産会社の数」と「対応エリア」にも気を付けなくてはいけません。
今回の記事で紹介している不動産会社は大手ですので、提携している不動産会社は多いです。例えば、LIFULL HOME’Sであれば3,500社以上の不動産会社が提携しています。自分のエリアを担当している不動産会社を選択できますので、安心して依頼することが可能です。
営業電話やメールがしつこいことがある
これは不動産に限ったことではありませんが、一括査定サイトに依頼を出すと「営業電話や営業メールがしつこい場合がある」というデメリットがあります。入力した情報の確認や査定結果の連絡であれば問題ありませんが、しつこく営業行為を続けられると面倒ですよね。
基本的には、「今回は売却を考えていないのでもう大丈夫です」と伝えれば無理な営業連絡は少なくなりますが、それでも時々連絡が入る会社は存在します。ただ、会社側も悪意を持って営業連絡をしているわけではありません。
①:市場の動向を伝えたいから
不動産市場は、非常に競争が激しい業界でもあります。他の会社に顧客を獲られないように、積極的な営業活動を行うのです。そのため、断られない限り潜在顧客として営業電話をし続けてしまいます。買主と売主がいる不動産売却としては、仕方ない一面と言えるでしょう。
②:信頼関係を築くためのコミュニケーション
不動産売却は大きなお金が動くため、どうしても即決することができません。1回話し合ったくらいでは信頼関係も希薄ですよね。こういったフォローアップは不動産業界で成功するために重要な要素であり、売主としても親身に対応してくれる担当者に依頼したいところです。
必ず売却しないといけないルールはない
「査定を依頼したら、絶対に売却しないといけない?」「査定後に断ったらキャンセル料がかかるのでは?」と、心配になる方も多いと思います。まず大前提として、査定を依頼しても必ず売らないといけない訳ではありません。
不動産売却は数百万~数千万の大きなお金が動く契約ですので、複数の不動産会社から選択したり、売却自体が白紙になることも多いです。不動産会社もそうなることを前提に営業していますので、断ったからといってキャンセル料を請求することはありません。
金額が目標に届いていない場合や不安な点がある場合は、遠慮なく断りましょう。その状態で契約してしまうと、後々大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。ただし、断る際には以下のようなことに気を付けてください。
断ると決めたらすぐにでも伝えてあげる
断りの連絡がないと、不動産会社も売却の意思があるのかと思って、家主に連絡を入れてしまうからです。何度も電話がかかってくるのは利用者側も手間がかかりますし、断るなら早い方がいいでしょう。
電話やメールは無視しない
査定後に不動産会社から電話やメールが届きますが、無視するのはおすすめできません。利用する意志がないのであれば、はっきりと断った方が、その後も何度も電話がかかって来るなんてことはありません。
一括査定サービスに関するよくある質問(Q&A)
最後に、不動産一括査定サービスに関してよく挙げられる質問をQ&Aという形で解説していきます。
Q.一括査定サイトの利用料はかかる?
一括査定サイトを利用するのに、利用料や手数料などの料金は一切必要ありません。査定依頼から結果連絡まですべて無料で使うことができます。しかし、「すべて無料なら一括査定サイトはどうやって運営しているの?実は後から請求されるのでは?」という疑問を持つ方もいます。
実は、一括査定サイトの運営費用は利用者ではなく、提携している不動産会社から貰っています。一括査定サイトは査定できる会社が増えれば増えるほど儲かり、不動産会社は新規顧客の獲得につながるということですね。この利害が一致しているため、サイト利用者から利用料を取らなくても良いのです。
Q.個人情報はどこまで入力する必要があるの?
個人情報の入力に関しては、一括査定サイトによって内容が異なります。
入力する情報 | |
---|---|
依頼主の個人情報 | ・名前(漢字+カナ) ・連絡先(電話番号orメールアドレス) ・住所(郵便番号+都道府県+市町村+丁・番地まで) |
査定してもらいたい物件情報 | ・間取り(ワンルーム~) ・土地面積(㎡) ・建物延べ面積(㎡) ・築後年数(年) |
個人情報としては「名前・連絡先・住所」がメインで、生年月日や性別などの入力はないこともあります。その一方で、査定してもらいたい物件の情報は、比較的細かい入力が求められます。物件情報が分からないと相場や査定額が算出できないからです。
Q.匿名で利用できる一括査定サービスはある?
「個人情報を入力するのは不安」や「今は売却する気はないけど、何となくの相場は知りたい」という方のために、匿名で利用できる一括査定サイトは存在しています。エリアや物件の種類、築年数を入力してAIによる査定シミュレーションを利用するのです。
これであれば、不動産会社からの営業連絡がくることは一切ありません。あくまでAIによるシミュレーションのため、実際の売却金額とは違う可能性があることを頭に入れておきましょう。実際、査定額も「〇〇万円~〇〇万円」と、幅のあるものが提示されやすいです。
一戸建て限定ですが、「イエウールの家査定シミュレーター」だと「都道府県・市区町村・町名・延床面積・土地面積・築年数・購入価格・売却希望時期」を入力するだけで、想定売価価格が表示されます。
Q.仲介手数料はどれくらいかかる?
もしも不動産の売却が成立した場合、仲介手数料の金額は、以下のように決められています。
物件価格 | 仲介手数料 |
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200万円以下 | 物件価格の5% |
200万円~400円以下 | 物件価格の4%+20,000円 |
400万円を超える | 物件価格の3%+60,000円 |
このように、物件価格によって仲介手数料は変動するため相場というものが存在しません。一括査定サイトを利用して査定額が出た場合、それを元に仲介手数料を計算してみましょう。ちょっと面倒という方のために、「物件価格がこのくらいだと仲介手数料はこのくらい」といった目安を載せておきます。
仲介手数料の目安
物件価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
100万円 | 55,000円 |
200万円 | 110,000円 |
400万円 | 198,000円 |
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
3,000万円 | 1056,000円 |
低廉な空家等(物件価格が800万円以下の宅地建物)については、当該媒介に要する費用を勘案して、原則による上限を超えて報酬を受領できる(30万円の1.1倍が上限)。
引用元:国土交通省
「低廉な空家等の媒介特例」が2024年7月1日に施行され、800万円以下の売買における仲介手数料は最大で30万円の1.1倍である33万円までとなっています。この金額も覚えておくと、契約時のトラブルを察知することができますよ。
Q.しつこい営業電話を避ける方法はある?
もし営業電話が苦手な場合、査定申し込みフォームに連絡方法の希望や備考欄がある場合は、「電話ではなくメールでの連絡を希望します」と記載しましょう。会社によってはこれにきちんと対応してくれます。
リアルタイムでの話し合いでないため、じっくりと考えることができます。電話でまくし立てられると断れる自信がない方も、メール設定するのがおすすめです。
Q.査定してもらった後に売却を断ってもいい?
査定はあくまで「売却するとしたらいくらで売れるのか?」という質問であり、それに答えたからといって「必ず売買契約を締結しないといけない」といった権限はありません。
せっかく査定してもらったのに…と思うかもしれませんが、査定額に納得がいかなければ断ってもOKです。実際、不動産会社の方も断られる可能性があると承知していますので、遠慮する必要はありません。