定年退職後に住宅ローンが払えない“老後破産”が急増しています。

団塊の世代(昭和22年~24年生まれ)を中心に、定年退職後から住宅ローンを払えなくなるケースが急増しています。現在、住宅ローンを組んでいる世帯の既に31%が60歳以上で、完済年齢が70歳超えという高齢者世帯も珍しくありません。住宅ローンを組んだ当初の生活設計や貯蓄計画、退職金や年金収入の見込み等が予定通り実現せず、多くの高齢者が住宅ローン問題に苦しんでいます。

このページでは、その背景にある“老後破産”の実態と解決策としての任意売却について解説して参ります。

老後破産とは何か?老後破産が起きる理由とは?

NHKスペシャル「老人漂流社会“老後破産”の現実」が話題に

独り暮らしの高齢者は日本に600万人。その半数近い300万人が生活保護水準(生活費月額13万円)を下回る年金受給額で生活しています。

実際に年金世代で生活保護を受けている人の数は70万人程度ですので、実に200万人以上の人が生活保護を受けずに暮らしている事になります。 中には、ひと月の年金支給額が6万5千円で、1回の食費はたった100円という方も居らっしゃいます。 身寄りがなく、身体を壊しても病院に行く事や介護施設に入る事も出来ないのが実情です。

本来であれば、年金で賄えない不足分を生活保護費で補うべきですが、預貯金や資産(持ち家等)があることで生活保護の審査が通らないケースや、 年金をもらっている手前、生活保護は受けられないと思い込んでいる高齢者も多く、救済支援が行き届かない実態がそこにあります。

NHKの報道番組「老人漂流社会“老後破産”の現実」の中で、このような状況を“老後破産”と名付け、多くの注目を集めました。

NHKスペシャル「老人漂流社会“老後破産”の現実」 出典:https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014058090SA000/

今や“老後破産”は対岸の火事ではありません。どこの家庭でも起こりうる危険性をはらんだ、大きな社会問題として認識すべきでしょう。

年金受給と退職金だけでは賄えない生活費

長年勤め上げた会社を定年退職したとしても、昨今の不景気のあおりを受け、期待通りの退職金を受け取れるとは限りません。中小企業に至っては、退職金の大幅削減や全く出ない会社も決して少なくないのです。

“会社員として地道に働きさえすれば、退職金が出る”といった事はもはや幻想でしかありません。そもそも、退職金という制度は法律で規定されておらず、経営者の一存で業績が悪化した為に出さないとなれば、それまでです。

当てにならない退職金では、住宅ローンの返済に充てる事も、旅行や大きな買い物をする事も、老後の生活の糧として年金を補う事も、極めて難しい時代と言わざるを得ません。

退職金の実例

  • ◎標準者の退職金[学校卒業後直ぐに入社、標準的に昇進・昇格した人を基に計算]
  • ■管理・事務・技術労働者(総合職)大卒60歳の退職金:2357.7万円
  • ■管理・事務・技術労働者(総合職)高卒60歳の退職金:2154.9万円
  • (日本経済団体連合会 2014年9月度/退職金・年金に関する実態調査結果より)

肝心の年金はどうか?と言うと、日本に住む20歳から60歳までの全ての人が対象となる国民年金(基礎年金)の場合、本来であればリタイア後の生活を左右する重要な収入源であるべきはずが、その支給額は極めて少ないのが現状です。

たとえ満額となる対象年数(40年)全ての保険料を納付しても、月額わずか6.5万円(平成27年度)の支給額にしかなりません。

年金受給の実態

総務省の家計調査報告によれば高齢無職世帯の実収入約17万円/月に対し、平均的な家計支出は23万円/月、つまり毎月6万円の不足が発生するとの報告もあります。

総務省 家計調査報告 平成26年平均速報結果

出典:総務省 家計調査報告 平成26年平均速報結果
出典:総務省統計局 「高齢者無職世帯の家計収支2014年」より

事情によって退職金減額の憂き目にあったり、あるいは退職金の支給がなかった場合、この毎月の赤字を埋める事はできません。 もし住宅ローンの支払いが残っていたとすると破綻してしまう事は明らかです。

ワンポイント =年金の基礎知識=

年金とは…年金制度を運営するところから、年金を受給する資格のある人に毎年一定額を支払う為の制度のことです。

年金は大きく分けると公的年金・企業年金・私的年金の3つです。公的年金は国が行う社会保障給付であり、国民年金や厚生年金保険等があります。企業年金は、従業員の定年退職後の生活をサポートする為に企業が設けた制度であり、厚生年金基金や確定拠出年金等があります。私的年金は、個人が自身に対し老後の所得保障の為に設けるものであり、生命保険会社の個人年金保険等がこれに当たります。

ちなみに、年金が必要とされるのは、長期にわたり収入(所得)を得る事が出来なくなった時。高齢の為に働けなくなった時は老齢年金、病気や怪我等で障害を受けた時は障害年金、扶養者と死別した時は、遺族年金がそれぞれ給付される事になります。

また、2001年度に年金受給制度が改訂され、国民年金は全国民を対象とする制度へと変わりました。以前は、民間のサラリーマンは厚生年金、公務員は共済年金、自営業等は国民年金という具合に職業等により区別されていて、別々の年金制度に加入する仕組みになっていました。

改定後は、全国民に国民年金(基礎年金)が受給されますが、従来通りサラリーマンは厚生年金保険に加入し、公務員は共催年金に加入する為、公的年金としては国民年金(基礎年金/全国民)と厚生年金(会社員や公務員が加入)の2階建て構造と呼ばれています。

現役時代、子供の教育費の負担が重く貯蓄できなかったという現実

多くの高齢者が平均的サラリーマンであった現役時代、仕事が順調であれば蓄えもそれなりにあったはずです。年金が生活費より少なくなる事も、容易に予測できていたでしょう。それにも係わらず、定年を迎えた後の収入減を見越し、お金を蓄える事が出来なかったのは何故でしょう?

その大きな要因の一つに、子供の教育費(養育費)の負担が重くのしかかり、貯蓄する事が出来なかった事が挙げられます。

小・中・高から大学進学に至るまで、学費はもちろんピアノやバレエといった稽古事からスポーツ、英語等の習い事、受験の為の塾通い等、非常に多額の教育費が必要となります。子供の為ならお金に糸目をつけないのが親の心情ではあります。

経済企画庁の国民生活白書によれば45~59歳の家計の教育費の負担をみると、特に私立大学に通わせている家計での可処分所得に占める教育費は、およそ27%にのぼり、消費性向120%前後と所得を支出が超え、その分、貯蓄を取り崩して教育費をまかなっている可能性があるという実態が報告されています。

経済企画庁・国民生活白書「中年」-その不安と希望

出典:経済企画庁・国民生活白書「中年」-その不安と希望

こうした家庭では、老後のための貯蓄をする余裕がなく、子供に老後の面倒を見てもらわなければ生活が成り立たない状況に陥ることになります。

嵩む医療費が、さらなる追い打ちをかける

高齢になると様々な病気に掛かるリスクが高くなります。公的な医療保険があったとしても、治療費や入院費が嵩めば日々の生活費を圧迫する事は目に見えています。さらに、公的保険の適用外の大病を患ってしまう可能性も否定できず、そうなると退職金等の預貯金はあっと言う間に底を突き、その支払いが日々の生活に重くのしかかります。

民間の生命保険等を掛けたくても、住宅ローンや子供の教育費等の生活費で手一杯だとすれば、毎月の保険料を支払う余裕がなく、断念または途中解約する人も少なくありません。

医療費の実態

子供に頼る事が出来ないという現実

今から遡ること50年。高度経済成長期の真っただ中では、子供や孫と同居する事が当たり前でした。従って親が高齢になれば、同居している子供たちが面倒を見るという生活習慣が根付いていたのです。

ところが現代においては3世代同居する家庭は珍しく、子供との同居率は下がる一方です。高齢でも夫婦一緒であれば助け合えますが、伴侶と死別して単身となった高齢者は少なくありません。また、子供が実家を出た後に親と疎遠になるケースや、先に子供が亡くなり、頼る者が居ない独居老人も大勢居ます。

さらに、子供が働かずに同居し、親に依存(寄生)するケースや、子供の借金を肩代わりしてしまうケースも顕著に見られます。

一方で高齢者の子供の世代の多くは、食費・光熱費・教育費を初め、住宅ローン・車のローン等で自らの家計を逼迫している為、離れて暮らす親の面倒を見る事や援助する事はかなり難しい状況にあると言わざるを得ません。

こうした状況に置かれた高齢者の多くは、誰にも頼れずどうする事も出来ず、老後破産へと向かうことになるのです。

実家が危機的情報にある場合、子供としてどうすべきか?

親が住宅ローンの返済で困っていないか?まずは事実に気づく事

高齢者が老後破産に追い込まれる要因は様々ですが、現役時代に購入したマイホームの住宅ローン破綻は、特に大きなトリガーになり得ます。

たとえば、購入当初は35年の長期ローンで65歳までに全額返済する計画であったにも係わらず、想定しなかった事態(給与減・ボーナスカット、教育費や医療費の負担、少ない退職金等)によって、定年退職後も引き続きローンを支払っていく事を余儀なくされます。結果、ローン破綻へと追い込まれるケースは後を絶ちません。

退職後に残ってしまった借金(債務)を、親は自力で返済できる見通しが立っていないにも係わらず、迷惑を掛けたくない一心から子供に相談しようとせず、隠してしまう傾向が強いようです。

よって、実家が住宅ローンの返済等で困っていないかどうかをまずは確認しておく事をお勧めします。親と向き合い、事実に気づく事が大切です。万が一、ローンが残っている場合は、現時点でどのような状況にあるのかをしっかりと見極める必要があります。

現時点でローン残高はどれくらいあるのか?毎月の支払い額は?滞納の有無は?債権者から督促状等が届いていないか?競売に掛けられてしまうのか?他にカードローン等の借金をしていないのか?等について明確にした上で、早急に解決策を嵩じる必要があります。

任意売却という解決策で親を救え

親の実家が、未だに長期ローンを完済しておらず、しかも返済が滞っているようであれば、競売に掛けられてしまう怖れがあります。最悪の場合、住む処がないまま強制退去させられた挙げ句、多額の残債を支払っていかねばならなくなる危険性を孕んでいます。近所中に知れ渡る事になる上に、夜逃げ同然で退去しなくてはならず、精神的ダメージは計り知れません。

住宅ローンが残っている不動産を、競売を回避しながら売却できる任意売却という手法を使えば、ローンが残った状態の実家でも、ほぼ市場価格に近い高値での売却が期待できます。債権者との話し合い次第では、残債をできるだけ少なくし、毎月の返済額を負担の掛からない範囲で設定してもらえます。加えて、引越し先の確保、引越し費用の捻出、引越し時期についても、相談に応じてもらえる可能性が高いでしょう。

さらに、住宅ローンは解決したいが、実家を手放したくない方の場合は、リースバックという手法を検討すると良いでしょう。実家を一旦、第三者に売却した後、その買主と賃貸契約を交わす事で、そのまま実家に住み続ける事が出来るのがリースバックです。これなら住み慣れた土地で、今まで通り暮らす事が可能です。

実家の住宅ローン問題が無事解決すれば、借金を抱えてどうする事も出来ずにいた親の悩みや不安も払拭されます。任意売却という手法は、老後生活に希望を与える解決策の一つである事に間違いないでしょう。

任意売却の流れ

住宅ローン問題を抱えてはいるものの、まだ任意売却の検討段階にある債務者は、実際に任意売却を選択した後、どのようなプロセスを経て解決に至るのかを実感する事は出来ません。そこで、以下に正しい任意売却の進め方(全12ステップ)について解説を加える事にします。任意売却が成立するまでにかかる時間は平均で1~3ヵ月程度です。

電話・メール相談 面談 物件の査定 債権者との話し合い 任意売却成立 抵当権抹消

1. 電話・メール相談

電話相談には、
土日祝も対応しています

困った時は、”今すぐ”相談したいものです。
特に、ローンの「催告書」や「競売開始決定通知」など、日頃見慣れない書類を受け取った方は、「誰かにアドバイスをもらえるまで、気が気ではなかった。」と口をそろえておっしゃいます。
だから、365日ご相談をお待ちしています。

専門の相談員が電話に出ます

任意売却119番では、不動産の知識のないオペレーターや事務員が電話相談を行うことはありません。
ローンでお困りの方のご質問にきちんと答えられる専門相談員が必ず電話に出ます。
すべての相談員が通話中などの理由で電話に出ることができない時は、折り返しご連絡します。

電話相談員 電話相談員
メール相談は、24時間受付中です

電話に比べ、メールでお答えできることは限られてしまいますが(お話の流れの中でこちらからご質問することができないからです)、
「知らないところにいきなり電話するのは怖い」
「仕事が忙しいので、夜遅くにしか時間をとれない」
「滞納があることをまだ家族に話せていないので、電話では話せない」など、ご事情のある方には喜んでいただいています。

メール相談の様子 メール相談の様子
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2. 面談

プライバシーに配慮した
相談室での個別面談

他の方の目を気にすることなく、ゆっくりお話を伺えるよう配慮しています。

訪問面談も可能です

ご希望により、ご自宅にお伺いします。
同時にご自宅の査定をさせていただくこともできますので、特に、お急ぎの方や競売開始決定通知が届いた方には訪問面談をお勧めしています。

大阪・梅田の相談センターでの面談の様子
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3. 物件の査定

スムーズな売却は、適正な査定から

任意売却を成功さえるためには、できるだけ高く、それでいて現実的に買い手が見つかりやすい価格で売り出さなければなりません。
この判断を誤ると、金融機関に同意してもらえなかったり、買い手が見つからなかったりします。
このようなことがないよう、地域の不動産事情にに詳しい経験豊かな担当がお伺いします。

査定の様子
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4. 債権者との話し合い・売却活動

あなたに代わって、
すべての借入先から同意をいただきます

債権者(借入先)が複数ある場合でも、すべての債権者に同意して頂けるよう交渉します。
相談者様の依頼で任意売却を行わせていただく旨のご挨拶から始まり、売却価格の調整はもちろん、競売や差押さえの取下げ、残債の返済方法、引越し費用の捻出など様々な交渉を行います。

債権者との交渉をはじめます
必要に応じて、弁護士などの
専門家とともに対応します

任意売却と同時に他の借入も整理したい(任意整理)方、自己破産を考えている方、相続や事業承継を検討したい方、は是非ご相談ください。
弁護士への相談も、初回は無料です。

不動産の問題に詳しい弁護士と連携
売却活動

不動産を取り扱うデータベースへの登録や新聞折込・インターネット広告などを通じて売却活動をいたします。
そのまま住み続けたい方には、買い戻し・リースバックのご提案も可能です。

売却活動
引越先もお探しします。

「任意売却するということは、ローン契約を破棄するということ。賃貸住宅には入れてもらえないのでは?」と心配する方もおられますが、大丈夫です。
ご希望の方には、引越先の賃貸マンションなどを紹介します。
「今の家の近くで」「子供の学区内で」などのご希望にもできる限りお応えします。

転居先探しもお任せください
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5. 任意売却成立

決済時に抵当権は抹消されます

買い手が見つかれば、いよいよ契約です。
売主(相談者様)、買主、債権者、司法書士、金融機関(借入先)の担当者などが一同に会して物件の所有権移転、抵当権抹消、差押さえの取下げなどを処理いたします。引越代もこの日にお渡しできます。

決済の様子