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(53)離婚する際、住宅ローンはどうしたらいいのでしょうか?

●離婚時に解決が難しい住宅ローン
離婚時、自宅をどうするかは、意向と現状、そして住宅ローンの契約内容によってさまざまです。ここで認識しなければならない点は、「夫婦の話合いでは解決できないことが多い」という現実です。
私どもは、「離婚で家を売却したい」「住宅ローンを相手にまとめたい」場合にご相談いただく窓口であるため、法律や税金、とくに財産分与については弁護士などにご確認ください。ここでは、質問の多い内容を説明しております。


●離婚問題と住宅ローンは全く異なる次元の話
「夫婦で買った家のローンは、二人に責任があるのですか?」
「どうして住まない家のローンを払わなくてはならないのですか?」
「離婚したのに連帯保証人から外れることができないのは納得がいきません。」

離婚と住宅ローンは本来、分けて考える必要があります。
住宅ローン(借金)は契約行為であり、借りた人の状況変化の影響を受けません。
対し離婚は、法律上他人になるものです。離婚は夫婦の合意で手続きが完了しますが、借金は債権者というお金の貸し手がいますので、借りた側の意向や都合で変更することはできません。

住宅ローンは借金であり、契約内容がどのようなものか?を把握することが重要です。主債務者(お金を借りた人)は誰なのか、保証人や連帯債務者はいるのか?などは、離婚を考えた際、真っ先に確認しておいたほうがいいでしょう。


●住宅ローンのパターンは主に三つ
家を購入する際、住宅ローンを利用した場合の契約内容は以下がほとんどです。
なお、夫と妻の立場が逆転していたり、連帯保証人が親族ということもありますが、ここでは端的なケースを挙げています。

1⃣ 夫:主債務者  妻:連帯保証人
2⃣ 夫:連帯債務者 妻:連帯債務者
3⃣ 夫:主債務者  妻:無関係(連帯保証人なし)

<離婚の際の対応>
1)売却しない、住み続けたい
・住み続ける側でローンを負担していく

2)ローンに無関係となりたい
・売却してローンを完済する(ローン残高に満たない額は一括で返済する)
・どちらか単独のローンに借り換えた際、連帯保証人なしとする


●契約の盲点:原契約の変更
住宅ローンを抱えたまま離婚を考えたときはまず、「金銭消費貸借契約書(俗に金消契約と呼ぶ)」をよく確認しましょう。この書類には、誰が債務を背負っているかが分かります。ただし、リスケジュール(返済内容の変更)をしている場合、原契約から契約変更がなされている場合もあるため、契約書すべてを確認する必要があります。契約変更の多くはリスケジュール(返済計画の見直し)時に行われるため、以下の変更が多く見受けられます。

 住宅ローン契約変更の例 
①連帯保証人が求められる。
②借金が増える。
③優遇金利の適用がなくなる。
④団体信用生命保険が返済途中でなくなることも。

①はリスケジュールの際、返済を危ぶむ金融機関が担保として家の他に人の保証を求めるものです。配偶者だけではなく、成人した子どもや年老いた親に保証人に入っているケースもあり、問題を一層深刻なものにしています。

②返済期間が延びるために、総支払利息が増えるために起きる現象です。

③変動金利などで多くの金融機関が特別金利を提供していますが、それは集客のためです。すでに組んだローンについて契約を見直す場合は、その優遇は受けられないことがほとんどでしょう。

④住宅ローンに付加されている団体信用生命保険(団信)の多くは、完済年齢を75歳までとしています。その上限年齢までを団体信用生命保険の加入期間としており、リスケジュールに応じる場合もその年齢の範囲内で見直すことがほとんどです。しかし、中には上限年齢を越えての契約変更を認めているケースがあります。この場合、保険は別商品であることから、返済途中で保険が切れてしまいます。保険が失効したのちに債務者が亡くなっても借金が残るため、相続人に思わぬ影響が出ることがあります。

少し説明が長くなりましたが、住宅ローンの契約は何十年も続くため、変更が生じがちであり、当初の契約内容がすべてとは断言しかねることを認識くだされば、と思います。


●「住宅は財産なのか?」住宅ローンの残高と財産評価
売ったら利益が出るのか、出ないのか。
これは、任意売却同様、離婚の際にも大きな要素です。財産分与は原則、夫婦で築いた財産のプラス分を分け合うものです。そのため、住宅ローンがあまりに残っていると、資産がマイナスになり、結果分け合うものはない、というケースがままあります。

★オーバーローンの場合:プラス財産と相殺して考える
オーバーローンとは、「住宅ローン残高>売却価格」のことです。不動産を売却してもローンが残るだけですので、夫婦の片方が住み続けてローンの支払を続けるというのが一般的かと思われます。ただし、それでも売却をせざるを得ない状況もあるかと思います。その場合には、残ったローンの支払をどうするのかという点を検討する必要があります。

★アンダーローンの場合:実現利益を折半する
オーバーローンとは、「住宅ローン残高<売却価格」のことです。実際に売らなくてもいいのですが、不動産を売却することで生じる利益を離婚時に折半します。

分ける現預金などの他資産がない場合は、売却してその利益を夫婦で分けるのがもっともスッキリとします。売却をしない場合には、家の価値をいくらとするのか、残るローンの負担をどうしていくか、所有権(家の名義)を誰のものにするか、家をもらわない配偶者は財産分与としていくら受け取るべきか、連帯債務や連帯保証人の問題をどうするかなど、難しい諸問題が生じてきます。この見解については、弁護士などに確認なさってください。


●避けるべき“とりあえず対応”と“なんとかなるだろう判断”
1)『夫名義の家に元妻が住む』・『養育費代わりの住宅ローン負担』
住宅ローンは、『家の所有者かローンの債務が住んでいること』契約で融資を受けています。ローン返済を続けていれば、住んでいる者が誰であろうと問題ないでしょう、という言い分は通りません。ただ、所有者や債務者がその物件に住んでいないことで、金融機関が一括返済請求をする例はあまり聞いたことがありません。黙認する金融機関もあれば、優遇金利を外したり、借り換えを勧めることはあるようです。

2)ローン名義はそのままで所有権だけ変更する
どの契約書にも、契約者に何らかの異動(変化)があった際は、貸し手である金融機関に申し出ることを義務付けています。許可なく行った名義変更も当然に契約違反です。
また、住宅ローンがたくさん残っている状態で所有権だけ移転しても、意味をなさないことが多いのが現実です。それは、債務者がローンを滞納すると、所有権は抵当権の実行にかなわないからです。

3)賃貸物件にする
地元の不動産業者に相談すると、「住まない、担保割れで売りたくても売れない物件は、賃貸にすればいいですよ。」と案内されることがあるようです。住宅ローンを利用しつつ、物件を賃貸とすることは、一時的な転勤などの理由を除いて認められていません。
また、一旦賃借人が入ってしまうと法律上、更新なしの定期借家契約やひどい契約違反でもない限り、貸主から退去を求めることは困難です。だからと言って、オーナーチェンジで売却する場合は、通常の取り引きと違って価格が大きく下がりがちです(住むために買う家と収益物件は価格の計算根拠が異なる)。任意売却の場合、債権者は融資した不動産について安値での取引に応じないことから、賃貸中物件のトラブルには枚挙にいとまがありません。


いかがでしょうか。離婚経験者の方は一様に「結婚より離婚のほうがハードルが高い。持家については、第三者や借金が絡むだけにさらに厄介だ。」とおっしゃいます。それでも、離婚後の人生は続きます。自身や相手の将来、経済的合理性を考えましょう。私どもは不動産の対応にかかるご相談を広く承っていますので、何らかの手続きをする前にご相談いただき、その方にとって最も適切な方針を見出していただきたい、と考えております。