任意売却の無料相談 住宅ローンの滞納・競売・差押でお困りの方へ 今すぐ電話相談、面談相談をお受けします。

離婚後も共有名義の家に住み続けるには?名義変更可能か?

『離婚するので、共有名義の家を単独名義にしたい』

『ペアローンを1本にまとめたい、借り換えをしたい』

同様の希望はたくさんありますが、実現できるのはほんのわずかです。なぜ、難しいのででしょう。ここでは、住宅ローンと離婚、債務者(ローンの借り手)と債権者(お金を貸す金融機関)、所有権と抵当権(住宅ローン)、それぞれの関わりについて解説していきます。

◆離婚と住宅ローンは、別問題

離婚の際、共有名義の自宅がある場合は、家を今後どのようにするのか、で意見が食い違うことが多々あります。どちらにも権利がありますし、離婚するからには、今後一緒に住むことはないでしょう。

まず、夫婦共有財産を希望通りにしたい場合は、以下の対応や希望が考えられます。

1)お互いが住み続けたくて譲らない

2)私は住み続けたい+相手は売りたい

3)私も相手も売りたいが、財産分与(あるいは借金負担)で揉めている

4)相手の名義分を慰謝料・養育費・財産分与として私の名義にしたい

これらの実現は、夫婦間で折り合いがつくかどうかはもちろんですが、『ローンの有無』で方針が決まっていきます。特にオーバーローン※では策が限られます。なお、ローンがない、あるいはあってもアンダーローン※の場合は、夫婦で話が折り合わない際には、持ち分の一部のみ売却することも可能です。ただし、持ち分のみの売却は、市場価格よりかなり価格は下がりがちです。

このサイトにアクセスされる方のほとんどは、住宅ローンがある方でしょうから、ローンが残っている(抵当権が設定されている)家を前提にしています。

※オーバーローン=ローン残高>市場価格。売却額より借金のほうが多い状態のこと。アンダーローンのその反対。

◆住宅ローンとの兼ね合い:オーバーローンか否かで大違い

住宅ローンの残った家の財産分与の考え方(原則)

・ローンより価値が高ければ、その分が財産分与の対象となる。

・逆にローン残高が家の価値を上回っていると、財産分与とはしない


1.共有名義は法律上の話であり、債権(ローン)とは別問題

まず、不動産の名義と住宅ローンなどの債務は別々に考える必要があります

特に住宅ローンは、金融機関との契約に着目しなければなりません。お金を貸してくれた相手は、「名義人が住む家として融資」しています。契約時には、名義人となる人の確認書類をたくさん出して、融資を受けるとすぐその家に住民票を移し、貸し手である金融機関にその書類を提出したはずです。

つまり、家を買う時に金融機関からお金を借りている以上、主導権はお金を貸した金融機関にあるのです。貸し手の意向や承諾なしに変更を加えてはならないのです。

1-1.勝手に名義(所有権)を移転させてはいけない

そのため、「夫名義の家かつ住宅ローンはまだまだ残っているけれど、ローンは今後もきちんと返済するのだから、名義は妻の私に書き換えたっていいでしょ。」という理屈は通りません。

なぜなら、名義人が自宅として使うことを条件に、他にはないほど有利(低金利かつ長期間の返済)なローンを組んだのです。金融機関からすれば、貸した金さえ返ってくればいい、とは考えません。それは、当初の契約に違反しているからです。

1-2.名義だけ変えるのは危険

時々、金融機関の承諾を得ないまま、所有権だけ変更してしまっているケースがあります。ほとんどは夫名義を妻に書き換えていることでしょう。離婚すれば夫婦は他人になるため、夫の再婚や相続の際、あとあと問題が生じるのを封じるには有効な策かもしれません。しかし、住宅ローンの債務者は夫側のままで、所有権だけ得ていれば安心か?と聞かれると、全くそうではありません。特に、「慰謝料や養育費の代わりに住宅ローンを支払ってもらう」場合、最後まで相手がローンを支払わず、無断でローンを滞納されてしまうと大変です。ローンが残っている限り、滞納が起きれば、金融機関は名義に関係なく物件を差押えることができるのです。


◆ワンポイントアドバイス

離婚協議書や離婚公正証書と住宅ローン

「絵に描いた餅」になる可能性を覚悟せよ

”離婚時に公的な書面で、元夫がローンは最後まで払うこと、完済の暁には名義を(元)妻の私に移転させることを約束しています。それに従わなかったペナルティ(罰則)も書いています!”というケースを散見します。

結論から申せば、その証文は将来「絵にかいた餅」となることを覚悟せねばなりません。理由は、養育費でさえ、離婚後数年もすれば払わなくなる人が多いこと、住まなくなった家にローンを払い続けることに疑問を感じ始める男性も少なくないのです。もちろん、夫側に転職や退職、再婚、収入減などが生じる可能性だってあります。

相手が払えなく(払わなく)なってはじめて、その証文を使うことになるのですが、多くは連絡が取れない、退職などして差し押さえる給与もない、財産もない。ということになりがちです。また、給与などは差押えができても、全額ではありませんので、限界があるのです。


2.住宅ローンと売却:連帯債務とペアローン

ペアローンは2本立て、連帯債務は1本。

ペアローンは夫婦それぞれが別々にローンを組みます。引落しも別々なので、分かりやすいでしょう。連帯債務でローンを組んでいるかどうかは、金銭消費貸借契約書を確認してください。一般に共有名義にしている、審査時に夫婦の収入合算でローンが通った、という場合は、夫婦連帯債務というケースが多いようです。

2-1.離婚と無関係な住宅ローン

ペアローンであるかどうか関わらず、夫婦共有の家に住宅ローンがある場合は、離婚の際にも注意が筆ようです。

共有だから、ローンが残っているから離婚ができない、ということは全くありませんが、離婚はローン契約に影響は一切及ぼしません。つまり、離婚にかかわらず、所有権もローンの責任もそのままなのです。

2-2.ローンと所有権は、住み続ける側にまとめること

共有財産を一方が管理(住み続け)していく場合、家の所有権もローンも住む側にまとめることが必要です。多くは、女性側が子と一緒に住むことを希望します。しかし、その女性側にローンを借り換えることができる充分な収入がなければなりません。一般に400万円程度の年収がないと大きなローンは組みづらいので、離婚後、持ち家に女性が住み続ける場合は、充分な準備が必要です。もちろん、離婚時に借金を清算(全部返す)ことができれば、家をどうするかは自由です。あくまで、抵当権が設定されているままでは自由にはできない、という意味です。


.売りたくても売れない家、オーバーローン

3-1.要らない家だが、売れない

住み続けたい人がいる一方で、夫婦共有の家を離婚時に売却し、夫婦関係と同時に借金も清算したい。こう望む人もいます。問題は、その家を売却しても借金が残ってしまう場合です。その差額は現金一括で支払わないと、原則として家を売ることはできません。要らないのに手放すこともできず、ずるずるとローンを払い続けざるを得ないケースもあるのです。

もちろん、住宅ローンとして融資を受けている家なので、人に貸すことも許されません(転勤などで一時的にその家に住まないため、他者に家を貸すことは認められることもあります)。

3-2.任意売却なら手放せるのか?

オーバーローンでかつ、売却時のその差額が用意できない場合、任意売却が視野に入ります。しかし、『要らない家だから売りたい』は、任意売却の主旨に反します。任意売却は、経済的に行き詰まり、”払いたくても家のローンが支払えない”場合で、やむなく住宅ローンを滞納してしまった場合に認められる売却方法です。

ただ、特に日本では男性側に住宅ローン、慰謝料、養育費の負担が集中しがちです。離婚となれば、これまでと同じ給与を得ても、自分の生活がままならなくなる、ということは充分にありえます。実際、離婚をきっかけに生活苦に陥ったうえ、養育費の滞納による給与差押えを受けて、どうにもならなくなる方も少なからずいらっしゃいます。

3-3.住み続けられるはずの家を失うとき

離婚時の条件や約束が絶対でも安心でもない、という典型的な声を挙げます。

体験談:S実さん 横浜市 2人の子を育てる40代歳女性 時期:201×年8月

『離婚して6年目の夏休みでした。突然裁判所から我が家に職員が来て、家の中に入り、写真を撮って帰りました。そこで初めて、元夫が家のローンを払っていないことを知りました。ここは元夫所有の家ですが、彼は離婚時、”家のローンも養育費も払っていく、私と子のために残す”と、固く約束してくれ、離婚公正証書も作成したのです。離婚後、2か月に1回は子どもたちと面会をさせてきましたが、家のローンを払っていない、ということは全く聞いていませんでした。

「マンションが競売になるんだけど、どういうこと?」とラインを送ると、既読になるだけで返事は一切なく、携帯も解約したのか不通になっていました。不安に思って、元夫の職場に連絡をすると、8か月も前に退職した、とのこと。彼の両親や兄弟にも連絡を取りましたが、揃って「あの子の連絡先は知らない。どこに居るのかも分からない。」の一点張りでした。その月から養育費も止まってしまったのですが、もはや公正証書を使って彼の銀行口座や給与を差押えをすることもできませんでした。

その時、子どもは中学3年生と小学6年生。裁判所の方は、「任意売却で競売の取り下げにならない限り、半年以内には競売入札に入るでしょう。」と。年明けには上の子の受験もあります。金融機関にも何度も掛け合ったのですが、「本人以外とお話は一切できません!」と言われるばかり。結局、刻一刻と迫る競売に、どうする術もありませんでした。だって、私は所有者でも債務者でもないのですから。

裁判所の方が来て4か月後、マンションはどこか知らない不動産会社が落札しました。娘たちの安全を考え、11月に家を出ていたので、あのまま家に居れば、どんな連絡があったのかは分かりません。同じマンションに住むママ友から、「あの部屋、改装されて新しい人が買ったみたいよ。」と聞いて、やりきれなくて涙が出ました。

元夫からは相変わらず連絡がありません。娘は望んでいた私学への入学を諦め、急遽公立校を受験しました。二人の子の大学進学など、私一人でどうしたらいいのでしょう。今、生活費と教育費が私の肩にかかっています。必死に働いていますが、先行きは見えません。せめて、元夫が養育費だけでも払ってくれれば、と彼からの連絡を待っています。