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所有者が服役中でも任意売却はできますか?

所有者が収監中の場合でも、任意売却は可能です。収監先にて所有者の意思確認と本人照会を経て、任意売却を完結させた例が複数あります。

『所有者の意思確認ができる』『必要書類が揃えられる』『ご家族などの協力者がいる』といった点をクリアできれば、可能性はあります。本人不在だからといって、最初から諦める必要はありません。

●所有者が服役中でも任意売却するには

物件の所有者が収監中に任意売却を図る際、最大の問題は、本人との折衝に大きな制限があること、必要書類を用意することが困難なことです。また、収監先が物件からかなり離れている場合は、本人確認をするための時間と交通費負担を債権者が認めない可能性が高いため、誰が負担するか、という問題も発生します。また、所有者に弁護士がついていても、任意売却の手伝いまでは対応しかねることが多いものです。任意売却には時間の成約もあるため、各種のハードルを乗り越えながら任意売却の可能性を模索することになります。

一方、不動産売買で活躍する司法書士は、諸手続きには非常に慣れています。しかし、刑事事件の弁護士と違い、服役中の方の所有不動産の売買に関わることは非常に稀です。なお、刑事事件に特化した弁護士は民事に不慣れな先生も中にはいらっしゃるうえ、そもそも任意売却などの手続きに関わる責務はありません。そのため担当弁護士からは任意売却について「関知しない。」と返答されることも少なくありません。では、どのように任意売却を進めていけばいいのでしょうか。

●所有者が服役中の任意売却の手続きの注意点:

1.受刑者との面会は制限がある 

司法書士が本人確認等により本人に面会しに行く場合は、日時等を本人および入所先に予約しておく必要がある。また、面会の必要性を示す確認資料、面会者の身分証明書、面会時の持参物についても事前に入所先施設に確認しておかなければならない。

2.手紙や書類の発受についても制限があり、原則手紙類は差入れできない

3.面会時に面前による自署を求めることはできず、署名押印は郵送での往復となる可能性が高い

4.本人確認書類を収監先の長などに発行してもらう必要があることも
不動産売買時に必須である「印鑑登録証明書」。これは住民票所在地で実印の登録がなければなりません。もし、印鑑登録証明書など必要な本人確認書類が用意できない場合、委任状に押した受刑者本人の拇印について、刑務所長などの証明をもって、印鑑証明書に代えることがあります。

5.売買契約に関して、司法書士を委任先とする『包括委任状』などを取得する。
決済の際に本人が立ち会えないことを前提に手続きを進めていきます。なお、書面の日付が売買決済日より前日付とならざるを得ず、この点については登記所に事前に相談しておく必要があります。

●体験談●所有者が服役中である場合の任意売却

(※個人特定を避けるため、プライバシーにかかる部分を一部改変しています)

<所有者の逮捕と妻の病気が重なって>
R子さんのご主人S氏は不注意から重大事故を起こしたことで逮捕、裁判中でした。S氏は仕事先を懲戒解雇となっているため、無収入。妻で住宅ローンの連帯保証人でもあるR子さんが掛け持ちで働いてローンを返済していたのですが、無理がたたり入院。住宅ローンが払えなくなりました。

<相談>
R子さんから任意売却をしてほしい、との相談を受け、私どもも対応を協議しました。S氏の国選弁護人に連絡を入れたところ、やはり任意売却については関知しない(関わらない)が、R子さんの状況とともに、自宅を売却せざると得ないことは本人(S氏)に伝えておく、との返事です。そこでR子さんの体調回復を待って、収監先へ面会予約を入れるとともに、司法書士と連携して任意売却を進めることになりました。

<種々のハードルが…>
面会者の人数も制限を受けていることから、司法書士とR子さんで面会予約をし、任意売却についてS氏の意思を確認のうえ、今後の流れや必要書類について打ち合わせを行いました。

<債権者の理解とスムーズな任意売却>
問題は債権者への連絡が本人からできないことですが、銀行に事情を話したところ、司法書士による本人確認ができていること、連帯保証人であり、物件に居住している妻のR子さんの申出をあったことから、任意売却に応じていただけることになりました。

住宅ローンの滞納は始まったばかりで、通常は半年前後の滞納で以って販売が始まるところ、価格が市場価値程度なら、前倒しで販売をしてもよいことになりました。R子さんは元気な時は収納整理や掃除についてブログなどで発信している方だったので、住んで10年近く経っているとは思えない状態です。任意売却開始早々に購入希望者が続々と現れました。

結果、指値交渉が入ることなく任意売却ができる見込みとなりました。S氏は住民票も当該マンションにあり、印鑑証明書登録もそのままであったことから、売買に必要な書類はR子さんを通じて取得できました。窓口となるR子さんの尽力で非常にスムーズに任意売却がまとまりました。

<残債務は?>
今回のケースでは、S氏への請求は実質困難であること、R子さんは障害年金を受給する見込みです。債権者は請求しても回収が難しいことから、S氏が社会復帰後、再就職した際に改めて相談をしましょう、ということになりました。ただし、時効の中断を図るため、定期的に一括返済請求やR子さんへの連絡は引き続き行われます。R子さんは、実家に身を寄せて療養しながらS氏が戻るのを待ち、二人で債務を返済していきたい、と考えています。

<まとめ>●所有者不在でも、本人の意思確認ができれば可能性がある

服役中の方の中には、任意売却の際に協力的なご家族がいない、住民票登録がない(イコール印鑑登録がない)といったケースも少なくありません。特に、窓口になってくださる方がいないと、手続きは困難です。私どもから直接、収監先へは面会予約などができないためです。特に本人確認書類や物件の鍵などは、ごく近しい関係者しか用意できないでしょうから、まずは関係者の協力の有無が大きなカギとなります。

任意売却119番